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【北米】米加首脳、北極圏での石油ガス採掘禁止、海洋保護、先住民支援で共同宣言発表

arctic

 米オバマ大統領とカナダのトルドー首相は12月20日、「北極リーダー共同宣言」を発表し、北極圏の産業と生態系を両立させる取組を開始したことを発表した。科学的根拠に基づく石油・ガス産業へのアプローチ、科学的根拠に基づく漁業マネジメント、低炭素型海運、北極圏先住民コミュニティの支援の4つが柱。

 まず両国は、北極圏の両国海域で石油・ガスの採掘権を付与することを無期限に停止する。これにより同海域での石油・ガス採掘が無期限で停止されることになる。両政府はその理由について、石油・ガスの漏出リスクが認められ、それが発生すると現地での飲料水資源、自然環境、先住民や地域社会の文化に多大で不可逆の影響があると判断したと説明している。この無期限停止措置は、その時の気候及び海洋に関する科学的根拠に基づくライフサイクルアセスメントを通じて5年毎に見直しを行う。

 漁業の分野では、米国はすでに施行している北極海海域での商業漁業の禁止を維持、強化するとともに、カナダ政府も北部州、北部準州、先住民社会と協働で北極海海域での漁業管理を強化していくことを表明した。また両国は、国際的な北極海漁業管理機関が創設されるまでは、北極圏公海での商業漁業を規制する方針を再度確認した。

 北極圏の氷が溶解することで開通が見込まれている北極海航路については、両国は環境面での影響の少ない推奨航路の特定を行っていくことで合意。管轄海域の広大なカナダはさらに、現地社会に対して北極海航路の活用に関する研修プログラムを実施していくことを表明した。また、米国沿岸警備隊は北極海での重油燃料利用を段階的に規制する政策検討を開始。カナダ当局も2017年中に同様の政策検討を開始させる。その上、両国は北極海での重油燃料規制に関する国際的な措置を実現させるため、2017年夏に開催される国際海事機関(IMO)会議に共同提案を行う。

 先住民コミュニティ保護分野では、両国は2016年3月に新たな支援策を講じていくことで合意しており、米国政府はすでにアラスカ州の先住民支援政策を発表している。今回カナダ政府も、北部州、北部準州、先住民コミュニティに対して同様に支援策を策定することを表明した。

【参照ページ】United States-Canada Joint Arctic Leaders’ Statement

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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