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【イギリス】英国規格協会、世界初のサーキュラーエコノミー規格「BS8001」発表

 英国の標準化機関、英国規格協会(BSI)は6月1日、サーキュラーエコノミーに関する規格「BS8001:2017(Framework for implementing the principles of the circular economy in organizations)を発表した。同規格は、企業や個人がサーキュラーエコノミーの目的である経済、環境、社会に資する資源の使い方を検討するためのガイドライン。サーキュラーエコノミーに焦点を当てた規格として世界初。

 サーキュラーエコノミー実現の重要な鍵を握るのは、商品、部品、素材の使用率と価値を全ての使用ステージにおいて高めることにある。使用後や廃棄後の資源をいかに回復または再生産かが重要となる。BS8001はサーキュラーエコノミーの定義から入り、組織がサーキュラーエコノミーを推進する手法についての大きなフレームを提示している。

 BS8001では、サーキュラーエコノミーを考える上で6つの分野(イノベーション、スチュワードシップ、価値の最大化、透明性、コラボレーション、システムシンキング)に規格を区分し、各分野において組織がサーキュラーエコノミーに近づくのに必要な手順を紹介している。また、システムシンキングとは組織や個人など個々の主体の意思決定が全体の意思決定にどのような影響を及ぼすか考慮することを指す。例えば、第一の手順として、特定の組織におけるサーキュラーエコノミーの意義の明確化等が挙げられている。

 また、BS8001は、認証規格ではなく、幅広いタイプの組織に活用してもらうため、対象とする組織規模や業種、法人形態、場所、サーキュラーエコノミーの推進度合いは特に定めていない。

 BS8001は、策定過程において、大学研究者やNGOだけでなく、マークス&スペンサーやロールスロイスなど英国企業からの意見も収集。実用しやすい内容・言葉遣いとなっている。また、サーキュラーエコノミー導入のカギを握る効果測定、責任と保険、ロジスティクス、素材など重要度の高い詳細項目については個別のガイドライン内容も含んでいる。同様に、関連の深いリース、シェアリングエコノミー、リマニュファクチャリングについても特筆している。

 今回の英国規格は、任意のガイダンス規格であり、すぐに参照する企業が増えるわけではない。しかしながら、サーキュラーエコノミーではEU加盟国では政府の重要政策にもなっており、他の政府や産業界、個別企業などが自主的に参照するところも出てくるだろう。世界初のサーキュラーエコノミー規格が出来た意義は大きい。

【参照ページ】Ground-breaking British Standard for the ‘circular economy’ launched

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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