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【イギリス】金融行動監督機構、運用業界の改革案を示す最終報告書発表

 英国金融政策当局の金融行動監督機構(FCA)は6月28日、英国での資産運用業界改革に関する最終報告書を発表した。FCAは昨年11月、暫定版を報告書を発表。その後約半年をかけて今回の最終報告書をまとめあげた。今回の最終報告書の中では、現状分析とともに改革の方向性が示されている。英国は、日本版スチュワードシップ・コードのモデルとなった「スチュワードシップ・コード」制定などで知られ、運用業界に対する政策の先進性で知られる。

 FCAは報告書の中で、運用会社は非常に数が多くある中、利益を創出している企業も多いと英国の運用業界について一定の評価を下しつつも、ファンドの目的やパフォーマンスの情報開示が十分でないと分析した。

 最終報告書の中で示された改革の方向性として、FCAは今後以下について、検討または実施していく。

  1. 投資家保護
    • 銀行等に導入している「シニア・マネジャー・レジーム(SMR)」を運用会社のファンドマネージャーにも導入
    • (会社型)ファンドに独立取締役を2名以上選任
    • 異なるシェアクラス間の公平性と、ファンドが投資家のファンド売買時に得る利益に関する公平性の確保
  2. 運用会社の競争力強化
    • 投資家に対するオール・イン・フィー(All-In Fee)の開示を支持
    • 機関投資家に対するコストや費用の一貫性のある標準的な開示を支持
    • 労働年金省に対し年金基金の統合や資産プールに関する障壁の撤廃を推奨
    • ファンド目的の扱い、ベンチーマークの使い方、パフォーマンス報告に関する専門ワーキンググループを主催
  3. 仲介機関の有効性改善
    • 投資プラットフォームに関する市場調査を実施
    • 機関投資家への助言市場に関する英公正取引監督官庁の競争・市場庁(CMA)への市場調査付託(Market Investigation Reference)の代替として、取引拒否に意見収集を実施
    • 財務省に対し、投資コンサルタントの監督を金融行動監督機構の所管とするよう検討することを推奨

 今回発表されたFCAの改革案は、今後英国政府内でのさらなる検討を進めていく。また、EU規制に関するものは、EU内での手続きも必要となる。特に、オール・イン・フィー(All-In Fee)の導入については、2018年1月導入予定の第二次金融商品市場指令(MiFID II)で導入がペンディングされている。英国政府のEU離脱と合わせ、英国の運用業界の強化について今回の改革案の行方に注目が集まる。

【参照ページ】FCA publishes final report into asset management sector

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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