【イギリス】内務省、英国現代奴隷法の実践ガイドを改訂。企業への報告要望レベルを強化 2017/10/23 最新ニュース

 英内務省は10月4日、2015年英国現代奴隷法に基づき発行されている、企業やサプライチェーンにおける奴隷労働や人身取引の確実な防止対策に向けたガイダンスを改訂し、新たに「Transparency in Supply Chains etc. A practical guide(サプライチェーン等の透明性:実践ガイド)」を発表した。

 新ガイダンスでは、児童労働の定義を明確化し、ILOの定義を基に「12歳未満の児童によるあらゆる経済活動および12歳から14歳の児童による軽作業を超える仕事、そして全ての最悪の形態の児童労働」と明記。また英国現代奴隷法のもとで義務化されていない売上高3,600万ポンド未満の企業に対しても自発的に「奴隷と人身取引声明」を報告するよう推奨した。さらに、一部の文言も修正。これまでは「may contain」(含めても良い)としたものを、「should contain(含めるべきだ)」に変更し、要望レベルを強めた。また、特定の情報カテゴリーが「強制的なものではない」と強調していた内容を削除し、それらの情報カテゴリーも含めるよう求めるものとなった。

 現在、英国企業または英国内で事業活動を行っている外国企業のうち、年間売上が3,600万ポンド(約54億円)以上の企業は、毎年「奴隷と人身取引声明」を報告する義務が課されている。しかし国際的な調達・購買関連NGOのChartered Institute of Procurement & Supply(CIPS)は今年9月、報告義務を負う企業のうち34%が報告していないと発表。調達責任者の37%がガイダンスを読んでいないことも明らかとなった。

 また、同調査によると、サプライチェーンに現代奴隷が存在しないことを「絶対的に確実」とした管理職は6%のみ。一方で、回答した管理職の半数以上は、法律を遵守しない人々には罰金を科すなどの法的措置があるべきと考えており、3分の2以上が声明を発行する法的義務を売上高3,600万ポンド未満の企業にも拡大するよう求めたという。

 現状では、現代奴隷に対処するトレーニングを実施ている企業は45%に留まり、サプライヤーマップを作成している企業も42%しかない。しかし法律が施行される前は、「サプライチェーンで奴隷制度が発見されたら、どうしてよいか解らない」企業は52%だったが、施行後は17%と大きく減少していることもわかった。

【参照ページ】Statutory guidance :Slavery and human trafficking in supply chains: guidance for businesses
【ガイダンス】Transparency in supply chains :a practical guide
【調査レポート】One in three businesses are flouting Modern Slavery legislation – and getting away with it

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