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【国際】PRI、アクティブオーナーシップに関するガイダンス発行。エンゲージメントや議決権行使



 国連責任投資原則(PRI)は2月15日、アクティブオーナーシップ(積極的株主行動)に関する新たなガイダンスを発行した。PRIは、第2原則の中で、株主方針の中にESG観点を盛り込み、積極的に議決権行使やエンゲージメントを実施することを求めている。一昔前まで、「アクティビストファンド」や「物言う株主」と言うと一部の特殊な投資家の特性を指していたが、今や主流の投資家行動になりつつある。

 PRIが今回のガイダンスを発行した背景について、アクティブオーナーシップが活発になりつつも、先進事例や成功事例に関する知見が普及していないことを挙げた。そのため同ガイダンスの中では、上場企業投資における長期的な価値創造を支援するため、具体的なプロセスを提示した。また、エンゲージメントを外部に委託していたり、議決権行使助言サービスを活用しているアセットオーナーに対しても、サービスレベル設定に活用してほしいとしている。

 今回のガイドダンスは、冒頭で、「アクティブオーナーシップは、リスク削減、リターンの最大化、社会及び環境へのインパクトを実現する最も効果的な手法の一つ」とアクティブ・オーナーシップの重要性を示した上で、「アクティブオーナーシップ方針の策定」「エンゲージメントや議決権行使の実施」「外部運用委託先やサービスプロバイダーの評価」「情報開示」の4つの観点から、ポイントをまとめた。

 「アクティブオーナーシップ方針の策定」では、投資方針の中に、エンゲージメント方針や議決権行使方針を組み込むためのステップを説明。方針には、一般項目として、対象アセット、スチュワードシップ・コード順守状況との関係性、期待と目的、組織構成、利益相反等があり、エンゲージメント方針には、テーマとするESG課題、モニタリングプロセス、エンゲージメント先の優先順位や手法、インサイダー情報の取扱が、テーマとするESG課題、議決権行使では意思決定プロセス、株主提案アプローチ、貸株に関する株主権利の内容等が含まれる。

 「エンゲージメントや議決権行使の実施」では、まず目的に応じた日々の情報収集やモニタリング体制を検討するところから始まる。またエンゲージメントをするタイミングでは、不祥事等が起きてから対話する「受動型」と、リスクや機会を積極的に対話しにいく「能動型」の2種類がある。そして具体的に相手企業に何を要求するかも固めなければならない。対話が不調に終わる場合には、次の段階として、集団的エンゲージメントや、株主提案、議決権行使等を検討する流れとなる。ガイダンスでは、各段階での具体的な検討内容の詳細や先進事例を整理している。

 「情報開示」に関しては、議決権行使結果公表の望ましい姿として、全個別結果の開示、行使理由、当該株主総会での主要議題、総議決権数、議決権の賛成・反対比率、株主総会議案の情報が第三者保証を取得していたか否かが含まれていることとした。エンゲージメントの望ましい情報開示についても、同様に内容の記載がある。

 PRIは、今回のガイドラインは上場株式アセットクラスを念頭に置いているとしながらも、非上場株式や債券でのアクティブオーナーシップにも活用できるとしている。

【参照ページ】PRI publishes guide on active ownership in listed equity
【ガイダンス】A PRACTICAL GUIDE TO ACTIVE OWNERSHIP IN LISTED EQUITY

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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