【カタール】アムネスティ、FIFA大会建設で移民労働者搾取と発表。FIFAは大会とは無関係と反論 2018/10/06 最新ニュース

 国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルは9月26日、2022年FIFAワールドカップのスタジアム建設に従事している建設企業Mercury MENAが、建設労働者に対し賃金を支払っていないと訴える報告書を発表した。カタール政府に対し、退職した労働者に確実に賃金を支払わせ、問題性の多い「kafala」という大会スポンサー制度を見直すよう要求した。

 アムネスティ・インターナショナルは、2017年10月から2018年4月の間、Mercury MENAの前労働者78人にインタビューを実施。彼らは、インド、ネパール、フィリピンからの移民労働者。調査によると、前労働者の賃金未払いは一人当たり平均2,035米ドル(約23万円)。また多くは、適切な労働ビザの申請がなされていないため、カタール国内での移動や転職に制約がある状況にあり、帰国についても同社から拒否されたケースがあるという。

 カタール政府が設けた「kafala」スポンサー制度では、大会建設に関与する移民労働者に対し、帰国や転職をする際には雇用主から「離職許可証(exit permit)」を取得することを義務付けており、そのため雇用主が労働者に対する強大な権限が与えられている。アムネスティ・インターナショナルによると、それが労働搾取や虐待の温床となってきたという。この「離職許可証」制度は2018年9月にようやく撤廃された。それでも、カタールの法制度では、移民労働者は最大5年間転職が認められず、雇用主の許可なく転職した場合には刑事罰に処されることになっているという。

 同NGOは、Mercury MENAのCEOと2017年11月に面会したが、CEOは労働搾取の実態を否定。またその後も複数回CEOに書簡を送っているものの、返事がないという。

 これに対し、国際サッカー連盟(FIFA)は9月27日、声明を発表。アムネスティ・インターナショナルは、今回の労働搾取を2022年FIFAワールドカップのスタジアム建設と結びつけて発表しているものの、インタビューをした労働者が大会スタジアム建設に関与した事実が確認できず、他の建設現場での作業についてはFIFAとしては情報が把握できないと主張。同件について、アムネスティ・インターナショナルに9月25日情報提供を打診したが回答が得られておらず、未回答のままの今回の発表に至ったことに遺憾の意を表した。

【参照ページ】Qatar: Migrant workers unpaid for months of work by company linked to World Cup host city
【参照ページ】Clarification statement to stakeholders by FIFA regarding the Amnesty International publicationof 25 September 2018 involving a company operating in Qatar

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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