機関投資家及び大学教授らは11月8日、企業に二酸化炭素排出量の開示強化を促す国際イニシアチブ「The 100% Club」を発足した。企業自身の排出量を示す「スコープ1」排出量の正しい開示を求めていく。
同イニシアチブに参加したのは、EU研究開発機関の欧州イノベーション・技術機構(EIT)官民連携プロジェクト「Climate-KIC」、英インペリアル・カレッジの気候ファイナンス・投資センター、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンのマイケル・スマーフィット・ビジネススクール、Sustainable Nation Ireland(SNI)、サステナブルファイナンスを推進する世界都市ネットワーク「サステナビリティのための金融センター(FC4S)」。その他、投資家や正しい二酸化炭素排出量報告を行っている企業にも参加を呼びかけている。
The 100% Clubが実施した調査によると、2016年に二酸化炭素排出量報告を行った約千社のうち、The 100% Clubの基準に適合する正しいスコープ1排出量を開示していた企業はわずか20社(2%未満)しかなかった。その20社は、AbbVie、アディダス、AVIVA、Beni Stabili、Cofinimmo、ドイツ銀行、Equinor、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)、ヘンケル、IRPC、KGHM、マイクロソフト、Norske Skog、ノーザン・トラスト、ロイヤル・ダッチ・シェル、Safestore Holdings、Saipem、東京海上ホールディングス、Unibail-Rodamco、Verisk Analytics。その他の企業は、スコープ1排出量を過少算出しているという。
The 100% Clubは、「温室効果ガス(GHG)を100%集計することは、多くの企業にとって技術的にも実務的にも非常に困難。そのため、不足データについては、Quantitative Statement of Completenessを開示し補うことができる」「しかし、実際に100%集計している、もしくは95%以上集計した上でQuantitative Statement of Completenessを発行している企業は2%しかない」と現状に苦言を呈した。
【機関サイト】The 100% Club
【分析】The 100% Club – Shortlist Methodology
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