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【国際】LSEグランサム研究所、国債償還の天然資源リスク指摘。気候変動や森林保全の影響

 英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のグランサム研究所は2月5日、金融シンクタンクPlanet Trackerと協働で、国債償還における天然資源の重要性を分析したレポートを発表した。G20の中でも特に大豆や牛等の天然資源依存度の高いアルゼンチンとブラジルに焦点を当てた。

 アルゼンチンとブラジルは、国際的に森林伐採ゼロ経済への移行が進む中、大豆輸出がリスクに晒される。アルゼンチンでは政府歳入17億米ドルの損失が見込まれ、ブラジルでも2018年時点で320億米ドル以上の規模の影響を受けるとした。

 また、同レポートでは今後10年間、アルゼンチン国債の28%、ブラジル国債の34%が気候変動や森林伐採反対方針の影響を受けると指摘。国連持続可能な開発目標(SDGs)がターゲットとする2030年以降、特にアルゼンチンでは、エクスポージャーが44%まで上昇すると分析した。

 パリ協定に則し、二酸化炭素排出量を2010年比45%までの削減が求められる中、各国は2つのシナリオのいずれかの選択が迫られている。一つ目は、各国が積極的に気候変動に対する物理的レジリエンスや政策失敗時のレジリエンスを高め、国債の長期的価値を支え、資金調達を確保する「ハイロードシナリオ」。もう一方が、生態系サービスが破壊され、自然災害に対する脆弱性やマーケットリスクが増大、国債の借入コスト増、信用の棄損、資金調達難に陥る「ローロードシナリオ」。

 その他、同レポートでは、各ステークホルダーに以下の対応を提言した。

国債発行者と政府
 天然資源の再生と管理、天然資源投資に係るグリーンソブリン債の発行と行政組織の整合性を取る。

投資家
 天然資源と国債発行者の将来債務返済能力の関係を分析・特定し、国債に係るスチュワードシップを高める。

信用格付機関
 天然資源の健康と国債の信用格付けの関係を、分析の中に組み入れる。

国際金融機関
 天然資源ファクターを取り入れるスコープを拡大する。

研究者
 論文の調査結果に基づき、国債と天然資源の関係を深く理解する。

【参照ページ】Countries must protect their natural capital or face increased sovereign credit risk, say London School of Economics and Planet Tracker
【参照ページ】The sovereign transition to sustainability: Understanding the dependence of sovereign debt on nature

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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