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【アメリカ】シティ等銀行大手、新型コロナで従業員・顧客・中小企業支援優先。自社株買い禁止

 シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェース等、米銀行大手は、新型コロナウイルス・パンデミック対応のため、従業員、顧客、中小企業への支援を優先させる対応を打ち出している。リーマン・ショックでは、自社の短期利益優先に走った銀行大手が、経済システム全体の維持を重視する姿勢を見せている。

 まず、米銀行大手8社は3月15日、6月末まで自社株買いを自主的に禁止することを決定した。同決定は、シティグループ、モルガン・スタンレー、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、BNYメロン、ステート・ストリート、ウェルズ・ファーゴの8社が加盟している業界団体「Financial Services Forum」で行ったもの。自社株買いを禁止することで、手持現金を確保し、従業員の雇用維持、顧客に対するサービスの継続、中小企業への融資維持に回せるようにした。米トランプ大統領は3月20日、自社株買いを避けるよう求める声明を出したが、金融機関大手は政府の決定を待つことなく自主的に禁止を決めた形となった。Financial Services Forumは、加盟8社は、リーマン・ショック後、経済危機時のバッファーとなる資本を40%以上も高めており、目下9,410億米ドル(約100兆円)もあると表明した。

 さらにFinancial Services Forumは3月20日、新たなアクションを発表。資金繰りに苦しくなった中小企業に対しては、手数料免除、時間外サポート等の支援を提供するとした。また、同様に個人顧客に対しても、状況により、手数料免除や支援プログラムの紹介を進めるとした。加えて、8社の合計75万人の従業員に対しては、テレワークを原則とし、必要なオフィス作業がある場合には、特定の人に集中しないように、ローテーションで進めるとした。

 8社は個別に支援策を打ち出している。バンク・オブ・アメリカは、個人顧客や小規模事業者に対しては、Overdraft手数料、当座貸越手数料、月額口座維持手数料の返金、クレジットカードやデビットカードでの延滞手数料の返金や納付期限延期、自動車ローンや不動産ローンの返済延期、債権差押の一時停止を発表した。3月17日には、医療、食糧、教育や、発展途上国の貧困層を支援するため合計1億米ドル(約110億円)を寄付したとことを発表した。

 シティグループも、個人顧客と小規模事業者に対し諸手数料の免除を決定。小規模事業者に対しては、営業時間外や週末でも相談に乗る窓口を用意した。3月19日には、総額1,500万米ドル(約17億円)の寄付を発表した。内訳は、世界保健機関(WHO)の要請に応じて国連財団とスイス慈善財団が発足した「COVID-19 Solidarity Response Fund」に500万米ドル、米国内の緊急食糧援助プログラム「No Kid Hungry」に500万米ドル、さらに500万米ドルをシティ財団から寄付する。

 JPモルガン・チェースも3月18日、総額5,000万米ドル(約55億円)の寄付を決定し、最初の1,500万米ドル分の寄付先を決めた。内訳は500万米ドルを、「COVID-19 Solidarity Response Fund」や、食糧援助NGOのFeeding Americaの「COVID-19 Response Fund」、China Foundation for Poverty Alleviation。200万米ドルを、Helping Black等の既存の支援先に。残り800万米ドルは、米国、欧州、中国の活動機関に寄付する。

 モルガン・スタンレーも、Feeding America、CDC財団、「COVID-19 Solidarity Health Fund」に総額1,000万米ドル(約11億円)を寄付。ウェルズ・ファーゴも、ウェルズ・ファーゴ財団を通じて、625万米ドル(約7億円)の寄付を表明した。

 ブルームバーグ・フィランソロピーズ等も、ニューヨーク域内の活動に寄付や低金利融資を行う「New York Community Trust」を発足。総額7,500万米ドル(約83億円)を寄付した。

【参照ページ】Coronavirus Response – Forum Member Actions
【参照ページ】Financial Services Forum Statement on Share Buybacks

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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