国連食糧農業機関(FAO)の屈冬玉事務局長は5月11日、東アフリカを発生源とするサバクトビバッタ蝗害に関し、当事国政府とFAOの努力により対策に一定の成果を収めつつも、食糧危機回避に向けては引き続き対策が必要との考えを示した。
【参考】【国際】FAO、サバクトビバッタ蝗害で最大さらに20倍に増えると発表。新型コロナと同時対策必要(2020年4月15日)
今回の報告は、FAOが作成した1月から4月までのアクションをまとめた報告書に基づくもの。今日までに監視強化や殺虫剤散布の対策で、東アフリカ及びイエメンの合計36.5万haの面積でサバクトビバッタの第一波の制圧に成功。当該面積は、翅が生える前のバッタの群れ「バンド」の生息地の20%、翅が生えた跡のバッタの群れ「スウォーム」の生息地の80%に相当するという。FAOの推計では、対策により72万tの穀物を守ることに成功。これは500万人分の年間食糧に相当するという。
しかし、すでに産卵された個体が孵化し6月から再びサバクトビバッタの大群が発生する第二波が予想されており、余談を許さない状況。これまでにFAOによる緊急資金要請で、必要とされた1.53億米ドルのうち1.3億米ドルの寄付が政府等から集まった。しかし未だ、飢餓対処で3,400万米ドル、今後の監視体制強化で300万米ドルの資金が不足している。
同報告書では、専門家も派遣したオーストラリア、カナダ、デンマーク、ノルウェー、英国を挙げ、謝意を伝えた。また資金拠出が多かった機関は、ドイツ政府2,200万米ドル、米国際開発庁(USAID)1,900万米ドル、EU国際協力開発局(EU DEVCO)1,100万米ドル、ロシア政府1,000万米ドル、マスターカード財団1,000万米ドル。
【参照ページ】FAO makes gains in the fight against Desert Locusts in East Africa and Yemen but threat of a food security crisis remains
【参照ページ】Desert locust upsurge: Progress report on the response in the Greater Horn of Africa and Yemen | January – April 2020
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら