国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)と国連責任投資原則(PRI)は5月20日、投資意思決定の中にESGを組み込みことや、投資先のESG向上に向けたエンゲージメントを実施することは「受託者責任としての義務」との考えをあらためて表明した。
今回の表明は、2015年から2019年までの5年間のフィデューシャリー・デューティー(受託者責任)推進プログラム「21世紀のフィデューシャリー・デューティー・プログラム」の成果をまとめてレポートの中で示したもの。同プログラムでは、2019年10月に最終報告書をまとめ、フィデューシャリーデューティー(受託者責任)の考えを整理しており、今回は5年間の活動報告を行った。
【参考】【国際】PRI、UNEP FI等、ESG投資とフィデューシャリー・デューティーの関係に関する最終報告書発表(2019年10月24日)
UNEP FIとPRIは5年間で、1,000人以上の政府関係者や機関投資家と対話し、フィデューシャリー・デューティーを推進。15ヶ国で30回以上のワークショップも行った。日本のスチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードの改訂も成果の一つとして挙げた。13ヶ国・地域についての分析・ロードマップ提言レポートも発行してきた。
それらのプログラムの成果からの結論として、機関投資家にフィデューシャリー・デューティーとして義務付けられていることを5つ挙げた。
- 投資分析と意思決定プロセスの中にESGを組み込む
- 投資先の発行体のESGパフォーマンス水準を上げるよう働きかける
- 財務的にマテリアルか否かにかかわらず受益者のサステナビティ関連嗜好を理解し実践する
- 金融システムの安定やレジリエンスを支える
- これらのコミットメントの実践内容を報告する
UNEP FIはPRIは今後、次のステップとして、投資分析や意思決定の中にインパクトの概念を組み入れていくための法的フレームワークの分析に入る。
【参照ページ】FIDUCIARY DUTY IN THE 21ST CENTURY PROGRAMME: FINAL ACTIVITY REPORT 2015-2019
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