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【イギリス】プリマス海洋研究所、気候変動により高栄養プランクトン減少。海洋生態系の生存競争激化に警鐘

 英プリマス海洋研究所は6月8日、気候変動により、大陸棚の高栄養価プランクトンが減少していると発表。プランクトンを捕食する魚や海鳥、海洋哺乳類間の競争が激化し、人間の生活にも影響を及ぼす可能性があると警鐘を鳴らした。

 同研究は、英プリマス大学が主導し、プリマス海洋研究所、英海洋生物学協会(MBA)、英サウサンプトン大学が協働。大西洋北東部の2,000km x 1,500kmの海域において、人工衛星からのデータと英海洋生物学協会の連続プランクトンレコーダー(CPR)の調査を組み合わせ、短期(1997年から2018年)・長期(1958年から2017年)の傾向、変化の空間的範囲、最も影響の大きい月の特定等を行った。さらに、植物プランクトン群集の観測も加え、温帯の沿岸および大陸棚で従来の生態系が脅威に晒されている背景の概念モデルを構築した。

 プリマス海洋研究所は、気候変動に伴い、夏の気候が、湿度が高く曇りの日が多かったもの、晴れの日が多く旱魃をもたらすものへ変化していると指摘。それに伴い、地表水への鉄分等の栄養素の供給量が低下し、動物プランクトンは、代謝が最も高い季節に、捕食条件が最適でない状況が長時間続いているとした。また、熱帯や北極等の一部地域では、地表水中の鉄と窒素のレベルが非常に低いときに繁殖するシアノバクテリアの一種シネココッカスが大量発生。一方で、海洋生物のオメガ3脂肪酸の摂取源である植物プランクトンは減少しており、特に北極では半減したという。

 こうした変化は、上記の短期・長期のいずれの期間においても見られ、5月から8月・9月の間に、植物プランクトンの珪藻、渦鞭毛藻類や動物プランクトンのカイアシ類の数は、すべて減少したという。同研究所は、夏の希少な栄養素をめぐる海洋生物間での競争が激化すると分析し、世界の漁獲量の約80%は大陸棚のものであることから、こうした変化は人間の生活にも影響を与えると警告した。

【参照ページ】Climate change has degraded productivity of shelf sea food webs

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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