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【日本】韓国政府、日本の官民推進のベトナム・ブンアン2石炭火力を採算割れと判断。環境NGO5団体発表

 環境NGO5団体は6月12日、日本の官民が連携して推進中のベトナム・ブンアン2石炭火力発電事業(ブンアン2)について、韓国政府系機関による予備妥当性評価が行われた結果、事業が1億5,800万ドル(約170億円)の損失になると評価されていたことが判明したと発表した。事業の収益性指標は0.96で、投資実行の判断ライン(>1)を割り込んでいた。この結果を受け、日本の関係者に対し、改めて事業中止を求めた。

 今回の発表を行ったのは、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、FoE(Friends of the Earth)Japan、メコン・ウォッチ、気候ネットワーク、350.org Japan。

【参考】【日本】NGO127団体、政府・三菱商事・メガバンク等にベトナム・ブンアン2石炭火力新設中止を要求(2020年5月27日)
【参考】【日本】小泉環境相、ブンアン2石炭火力事業が首相官邸決定の「石炭火力輸出4要件」に違反と批判(2020年1月27日)

 ブンアン2は、小泉進次郎環境相が1月、首相官邸の会議で決定した石炭火力輸出4要件への違反を指摘した案件。出資者は、三菱商事(40%)、中国電力(20%)、香港の電力会社CLP(40%)だが、CLPは、脱炭素方針を掲げ事業からの撤退を表明。そのCLP分の株取得の検討を、三菱商事からの提案を受け、韓国電力公社(KEPCO)が行っている。

 韓国では、公的機関が行う投資事業について事業費が500億ウォンを超える場合、予備妥当性評価を行い、事業を推進すべきかの判断を経なければならない。公的機関の一つであるKEPCOが参入を検討しているブンアン2についても、政府系シンクタンク韓国開発研究院(KDI)による予備妥当性評価が行われた。

 その結果、KEPCOが関与することになる事業期間中(2020年~2048年)に発生する支出と収益の現在価値を比較した場合、KEPCOの損失分は7,900万ドル(約86億円)がわかった 。KDIはこの結果を3月に出してたが、韓国国会議員による一部資料の公開により6月11日に公になった。

 KDIは「KEPCOが提示した事業費は詳細項目が提示されておらず、まだ事業全体のデューデリジェンスを実行していない状況」と報じられており、コストはさらに上昇する可能性もあるという。

【参照ページ】【緊急声明】 韓国政府系機関の調査でブンアン2石炭火力発電事業はマイナス収益と判明 ~損失が明らかな事業の推進には日本企業・銀行への訴訟リスクも~(2020/6/12)

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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