新型コロナウイルス・パンデミックの影響により、グローバル企業は「持続可能なビジネス」の意識をますます高めていることがわかった。グローバル企業約100社がアンケート調査に回答した。
今回の調査を実施したのは、国際的なサステナビリティ企業ネットワークの米BSRとサステナビリティリサーチGlobeScan。回答企業数は102。地域割合は北米58%、欧州19%、その他22%。業種は消費財・小売が31%と多いが、ITが15%、金融14%、エネルギー・資源9%等、幅広く分散している。
パンデミックが企業のサステナビリティに与える影響についての設問では、40%が「関係性が高まり、持続可能なビジネスへの期待も高まる」、36%が「持続可能なビジネスへの期待が追加もしくは変化する」と回答。「ネガティブな影響を与える」との回答はわずか21%だった。
パンデミックで企業が実施した対応では、「労働者保護」92%、「慈善活動」42%、「サプライチェーンの確保」33%、「必要物資提供」31%、「財・サービスの貸付」30%、「中央政府や地方政府の支援」23%、「サプライヤーやサプライヤー従業員への支援」14%だった。
パンデミックで重要となったサステナビリティ課題では、「持続可能なサプライチェーン」が最多で44%。続いて、「インクルーシブ経済成長」31%、「気候アクション」29%、「慈善活動」28%、「社内エンゲージメント」27%、「人権」24%、「ステークホルダー・エンゲージメント」22%、「消費者エンゲージメント」17%だった。
一方、パンデミック下でのサステナビリティ部門の役割では、「コミュニティ・エンゲージメント」19%、「社内他部門へのアドバイス」14%、「ステークホルダー・エンゲージメント」13%、「健康・安全衛生」10%、「慈善活動」10%、「従業員エンゲージメント」4%と、業務が分散していることがわかる。また、企業対応内容や重要となったサステナビリティ課題に関する設問とは、回答内容や回答者数が大きく異なる結果となり、サステナビリティ課題への対応は、すでにサステナビリティ部門だけでなく、幅広い部門のテーマとなっていることが伺える。
サステナビリティ関連予算については、47%が「削減されるだろう」と回答。一方、「削減されないだろう」が27%、「まだどちらとも言えないが」が26%だった。削減されるだろうは、リーマンショック時の31%を上回り、パンデミックでの財務影響が大きいことが伺える。
今回の調査からは、予算が削減される可能性が高まりつつも、課題認識はむしろ高まっており、長期的にはサステナビリティ・アクションが加速するという状況がみえてきた。
【参照ページ】Corporate Sustainability & COVID-19
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