三井物産は10月9日、保有しているインドネシア、中国、マレーシア、モロッコでの石炭火力発電事業の権益を2030年までに売却する意向を表明した。英紙ロイターが10月12日、報じた。気候変動による事業影響に鑑み、火力発電事業では、ガス火力発電に完全にシフトする考え。
今回の発表は、同社の安永竜夫社長がロイターとのインタビューの中で明らかにしたもの。他にも原油の上流分野で新規を含む複数の投資案件を見送った一方、モザンビークとロシア北極圏でのガス採掘事業が4年以内に開始する予定。これにより、エネルギー権益生産量に占める原油開発の比率は、2030年に向け低下していくことも語った。三井物産は、資源ビジネスの比率が大きかったが、ガスに焦点を当て、大きく事業ポートフォリオを転換する。
また安永氏は、今後のエネルギー市場において、再生可能エネルギー100%の世界を実現することは不可能との考えを示し、ガスが重要なエネルギー資源となるとの見方を表明。機関投資家の中には、ガス火力発電についても将来的には廃止されるとの予測も出ており、三井物産のエネルギー事業は、ガス事業の将来性と予測能力に大きく左右されることなる。
安永氏は、2018年の決算説明会の中で、火力燃料用の石炭(一般炭)鉱山の新規開発から撤退する方針もすでに発表している。
【参考】【日本】三井物産、火力燃料用石炭鉱山の新規開発から撤退。原料炭は継続(2018年11月1日)
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