private 【日本】経団連、新成長戦略発表。2050年カーボンニュートラルでの原発推進と女性役員比率30% 2020/11/11 最新ニュース

 日本経済団体連合会(経団連)は11月10日、「。新成長戦略」を会長・副会長会議で承認し、発表した。菅義偉首相が施政方針演説で打ち出した2050年カーボンニュートラルのための原子力発電再稼働と新型炉開発、役員の女性比率を2030年までに30%超の2つが大きな戦略方針となっている。「。新成長戦略」の最初の「。」は過去との違いを強調したものとみられる。

 経団連は2017年に、IoTやAI、ロボット等革新技術を最大限活用し人々の暮らしや社会全体を最適化した未来社会「Society 5.0」の実現を柱として国連持続可能な開発目標(SDGs)を達成するため、企業行動憲章を改定。その中では、エネルギー分野については「スマートグリッド」しか言及していなかったが、2019年4月には、日本政府へのエネルギー政策提言書「日本を支える電力システムを再構築する」を発表し、原発推進と大手電力会社支援強化を2つの柱としていた。

【参考】【日本】経団連、企業行動憲章を改定。Society 5.0実現を柱としたSDGs達成盛り込む(2017年11月14日)
【参考】【日本】経団連、エネルギー政策提言書発表。原発推進と大手電力会社支援強化(2019年4月12日)

 中西宏明会長は、今回の記者会見の中で、「この10年間、日本で原子力に関する議論ができないでいる間、世界の状況は大きく変わった。大型炉の安全対策が厳しくなりコストが上昇したことから、小型炉の開発が進められてきた。今や世界で大型炉の建設は中国とロシア両国が主導しており、安全保障上の懸念も出てきている。こうした現状も認識した上で、わが国が世界で果たすべき役割、グリーン成長実現等について根本的な議論を行う必要がある」と発言。あらためて、原発を日本の産業の柱に据えていくことを打ち出した。

 また、「Society 5.0」の中では、研究人材の文脈でしか言及しなかったジェンダー・ダイバーシティについて、初めて企業内での男女ダイバーシティについて盛り込んだ。今回、中西会長は、「今の日本の社会構造においては、明確な目標を設定しないと現実的に進みにくい」と話し、役員の女性比率を2030年までに30%超とするという具体的な目標値を設定した。役員が、取締役・監査役のみか、執行役員まで含むのかは定かではない。

 今回中西会長は、「今回打ち出した成長戦略は従前のものとは大きく異なる」とも発言。「スピード感をもった実行」「地球のサステイナビリティ(持続可能性)を根本に据えた」とした。

 今回の「。新成長戦略」では、「DXを通じた新たな成長」「働き方の改革」「地方創生」「国際経済秩序の再構築」「グリーン成長の限界」の5つをアクション分野として定めたが、Society 5.0と同様に「DX(デジタルトランスフォーメーション)による課題の可視化とソリューションの創出」をあくまで究極ミッションと据え置いた。しかし「働き方の改革」「地方創生」「国際経済秩序の再構築」「グリーン成長の限界」については、DXとの関連性が明確でなく、戦略の構造に一体感がないものとなった。

【参照ページ】。新成長戦略

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