気候変動物理的リスク評価世界大手米Four Twenty Sevenは12月3日、国債の気候変動物理的リスクを分析したレポートを発表した。日本はリスクが上から2番目の「高い」と評価された。Four Twenty Sevenはムーディーズのグループ会社で、ムーディーズの「ESGソリューション・グループ」を構成している1社。
【参考】【アメリカ】ムーディーズ、気候変動の物理的リスク評価大手427買収。ESG評価機能強化進む(2019年7月26日)
【参考】【国際】ムーディーズ、グループ内ESGサービスを統合。「ESGソリューション・グループ」発足(2020年9月15日)
同レポートは、洪水、熱波、ハリケーン・台風、海面上昇、山火事、水ストレスの自然災害による気候変動物理的リスクに対し、各国の人口、GDP(購買力平価)、農地が受ける影響を分析したもの。2040年時点でのリスクの大きさをマップ表示した。
リスクが最も高い国は、フィリピン、中国、米国、メキシコ、ベトナムの順。他にも「非常に高い」に分類されたのは、米国、ブラジル、ベネズエラ、インドネシア、マレーシア、シンガポール。2番目の「高い」に分類されたのは、日本、韓国、台湾、タイ、ミャンマー、インド、パキスタン、バングラデシュ、イラン、イラク、サウジアラビア、エジプト、トルコ、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャ、南アフリカ、エチオピア、タンザニア、ナイジェリア、モロッコ等。
日本については、海面上昇が「非常に高い」で、洪水と台風が「高い」と分類された。一方、山火事は「中程度」、熱波と水ストレスは「低い」だった。
全体としては、2040年までに破壊的な洪水リスクにさらされる人の数は22億人から36億人にまで増加し、人口比では28%から41%が洪水リスクを抱えて生活していくこととなる。GDPでは全体の57%に相当する78兆米ドルが洪水リスクへのエクスポージャーを抱える。
2040年には、世界人口の25%以上が、過去類を見ない熱波に対し、気温でも頻度でも襲われるようになり、健康懸念も増大。労働生産性や農業生産量にも影響を与えると見られる。農業では、2040年までに3分の1が水ストレスを抱え、アフリカでは1.25億人の農家が水ストレスに襲われ、食料安全保障も脅威となると予測した。
【参照ページ】Measuring What Matters: A New Approach to Assessing Sovereign Climate Risk
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