食品世界大手米ペプシコは1月14日、2030年までにバリューチェーン全体での二酸化炭素排出量を40%削減し、2040年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を達成するとの目標を発表した。
同目標は、気温上昇を1.5℃以内に留める科学的根拠に基づく削減目標設定(SBT)をパリ協定での2050年から10年前倒して達成するというもの。科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)からの承認も得た。
今回同社は、2030年までにスコープ1とスコープ2の二酸化炭素排出量を75%、スコープ3からの排出量を40%削減すると宣言。削減量は、二酸化炭素排出量換算で2,600万tに相当する。
アクションプランでは、事業活動とサプライチェーンの脱炭素化に加え、事業継続計画に気候変動リスクを組み入れることで、気候変動への脆弱性の低減にも言及。科学に基づく測定とコストベネフィット分析のもと、最もインパクトのある領域に注力し、進捗を加速するためのパートナーシップも締結する。
ペプシコの主な二酸化炭素排出削減領域は、農業、包装・容器、配送、事業活動。農業については、同社二酸化炭素排出量の3分の1を占めるという。同社は、持続可能な農業やリジェネラティブ農業の拡大や、炭素隔離、土壌の健康、生物多様性の改善、森林破壊の削減、農家の生産性向上等に注力。持続可能な農業慣行や農家の所得改善のため、農家向けの研修やツール提供を行う同社イニシアチブ「Demonstration Farms」の拡大にも取り組む。
包装・容器については、バージンプラスチックの使用量を削減や、リサイクル素材の活用を通じ、二酸化炭素排出量削減を行う。また、製造や倉庫保管、輸送については、サプライチェーンの効率性を最大化するとともに、二酸化炭素ネット排出量ゼロおよび絶対排出量ゼロに寄与する技術の適用に取り組む。
さらに同社は、二酸化炭素排出量削減の事例として、製品デザインの中核に環境インパクトを据えたプログラム「Sustainable from the Start」や、インターナル・カーボンプライシング・プログラム2つを紹介。インターナル・カーボンプライシング・プログラムでは、従業員の航空機移動を伴う出張による二酸化炭素排出量の削減や、北米における物流企業選定時の二酸化炭素排出量への影響の考慮等を行っている。
また、再生可能エネルギーについても言及。同社ブランド「Lay's」「ペプシ」「クエーカー」「トロピカーナ」等の製造で、再生可能エネルギーを活用しており、すでに欧州12カ国および米国での100%再生可能エネルギーを実現した。2021年には、メキシコとオーストラリアでも達成予定。両国での再生可能エネルギー転換が完了すると、同社グローバルでの電力の60%が、再生可能エネルギーになるという。
電力購入では、デンマーク電力大手オーステッドと提携。米テキサス州およびネブラスカ州での風力発電2機の導入に、最終合意している。同社の米国での電力需要の4分の1を供給可能だという。米国事業では、2030年までに対象をグローバル全社に拡大し、2040年までにフランチャイズや第三者の事業活動にも広げることを、新たに目標設定している。
【参照ページ】PepsiCo Doubles Down on Climate Goal and Pledges Net-Zero Emissions by 2040
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