ユーグレナと米Chevron Lummus Global(CLG0、Applied Research Associates(ARA)の3社は3月15日、ユーグレナのバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントで生産したミドリムシ由来のバイオジェット燃料が「ASTM D7566 Annex規格」への適合が認められたと発表した。量産体制にも目処がたち、2021年中にフライトを実現させるという。ユーグレナは2005年の創業以来、バイオジェット燃料の開発を目標としており、16年をかけてついに実現まであと一歩となった。
ユーグレナ社のバイオ燃料製造実証プラントは、CLGとARAが共同で開発したバイオ燃料アイソコンバージョン(BIC)プロセス技術を採用。BICプロセスの一気通貫システムで、バイオジェット燃料を製造したのは今回が世界初。
また、「ASTM D7566 Annex規格」は、微細藻類や廃食油などの生物系油脂を原料としてBICプロセスにより製造した純バイオジェット燃料に対する国際規格で、ASTM International(旧・米国材料試験協会)が運営している。ASTM認証に適合したバイオジェット燃料としても今回が世界初。
ユーグレナのバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントは、日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントとして、2018年10月31日に横浜市鶴見区の京浜臨海部に竣工。横浜市、千代田化工建設、伊藤忠エネクス、いすゞ自動車、全日空、ひろしま自動車産学官連携推進会議がサポーターとなり、「日本をバイオ燃料先進国にする」ことを目指す『GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)』を宣言していた。
同社は、2020年8月に、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業である「バイオジェット燃料生産技術開発事業/実証を通じたサプライチェーンモデルの構築/油脂系プロセスによるバイオジェット燃料商業サプライチェーンの構築と製造原価低減」に採択。2025年中のバイオ燃料製造商業プラントの完成に向けた、原料調達から燃料製造技術、燃料供給までの一貫したサプライチェーンの整備を進めていた。
同社はすでに、車両向けのバイオディーゼル燃料を2020年3月に完成。その後、バス、配送車、フェリー、タグボート等でユーグレナバイオディーゼル燃料の導入を順次拡大してきていた。今後は、バイオジェット燃料の生産に成功したことで、航空運送事業者や航空局等との最終調整を進める。
【参考】【日本】ファミマ、廃食油をディーゼル配送車両燃料に活用。ユーグレナと協働。CO2削減(2020年8月2日)
【参照ページ】ユーグレナバイオジェット燃料が完成、 年内の供給開始・フライト実現へ
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら