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【日本】三菱重工、英国でGTCCを水素火力に転換へ。航空機開発や造船事業は大規模縮小

 三菱重工業は3月26日、以前から参画している英ハンバー川流域の「ゼロ・カーボン・ハンバー(ZCH)」パートナーシップで、天然ガス焚き120万kW級GTCC発電所の水素燃料転換計画を実施すると発表した。

【参考】【イギリス】発電・製鉄大手11社、ハンバー流域工業地帯の2040年脱炭素化に向け政府助成金に応募(2020年10月16日)
【参考】【イギリス】欧州エネルギー大手6社、北海沖海底での炭素貯留開発で提携。CCUS推進(2020年10月30日)

 ZCHは、英国で二酸化炭素排出量が最大の工業地帯を抱えるハンバー川流域で、2040年までに二酸化炭素ネット排出量をゼロ(カーボンニュートラル)にすることを計画。エネルギー大手や鉄鋼等11社とシェフィールド大学でパートナーシップを構成している。

 ZCHには、エクイノール、ブリティッシュ・スチール、ユニパー、セントリカ・ストレージ、ドラックス、ナショナル・グリッド・ベンチャーズ、pxグループ、SSEサーマル、トライトン電力、Associated British Ports、シェフィールド大学のAdvanced Manufacturing Centre(AMRC)が加盟。日本企業では、三菱重工業100%子会社の三菱パワーも加盟している。

 現在、ハンバー川の工業地帯では、天然ガス焚きの120万kW級ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電所で、三菱パワーのガスタービンが3基稼働しているが、今後、ガス燃料を水素に転換する技術の検討とフィージビリティ・スタディーを行う。特に、ソルトエンド工業団地にあるGTCC発電設備のM701F形ガスタービンの水素転換では、同発電所のオーナー企業であるトライトン電力と連携する。

 一方、三菱重工業の航空機開発子会社・三菱航空機は、県営名古屋空港ターミナルビルにある本社を撤去し、隣接の三菱重工業の工場内に移すことも決めた。同社は、国産ジェット旅客機「三菱スペースジェット」の開発を事実上凍結し、予算と人員を大幅に縮小している。本社には最盛期には約2,000人いたが、今後は200人以下にまで削減する。

 また、造船事業では、長崎造船所の香焼こうやぎ工場にある国内最大級の建造ドック等の主要施設を、長崎県西海市造船大手の大島造船所に数十億園で売却することでも合意した。中国・韓国大手との競争に戦えなくなってきており、コスト削減で対応する。大型客船等を修理する修繕ドックや、別の場所にある「本工場」は今回の売却の対象外。

【参照ページ】英国で天然ガス焚き120万kW級GTCC発電所の水素燃料転換計画に参画
【画像】三菱パワー

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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