欧州委員会と欧州対外行動庁(EEAS)は7月13日、EUの企業がサプライチェーン上の強制労働リスクをデューデリジェンスするためのガイダンスを発表した。EUは、「人権と民主主義に関するEU行動計画2020-2024」の中で、人権と民主主義の価値観を企業にも体現することも盛り込んでおり、今回のガイダンス発行はその一環。
今回のガイダンスは、国際労働機関(ILO)が定義する「強制労働」を対象としたもの。EU企業のデューデリジェンスとしては、国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)、経済協力開発機構(OECD)の多国籍企業行動指針、責任ある企業行動に関するOECDデューデリジェンス・ガイダンス、ILOの多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言、ILOの中核条約を挙げた。
同ガイダンスは、強制労働のリスクを特定、防止、緩和、対処するための方法について、具体的かつ実践的なアドバイスを提供することを目的としており、自主的な参照を促している。
EUはすでに、強制労働を含む全ての基本的なILO条約を批准済み。EUが締結する通商協定にも強制労働の観点を盛り込んでいる。実際に、EUの一般特恵関税制度(GSP)では、持続可能な開発と良い統治のための特別奨励制度(GSP+)の受益国71カ国はすべて、ILOの基本条約の原則に重大かつ組織的に違反しないことが義務付けられている。
現在、EUでは環境・人権デューデリジェンスを企業に義務付けるEU法の制定作業も進められている。今回のガイダンスは任意のガイダンスツールとして先行して発表された。
【参照ページ】New EU guidance helps companies to combat forced labour in supply chains
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