原子力規制委員会は8月18日、日本原子力発電の敦賀原子力発電所2号機に関し、再稼働の前提となる審査会合を暫く開催しないことを決めた。これにより同発電所の再稼働は遠のいた。
今回の事案は、2020年2月に同委員会の「原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合」で、日本原子力発電による敦賀原子力発電所2号機(福井県)の地質データ書き換え問題が指摘されたことが発端。
日本原子力発電が7月19日に同委員会に提出した資料では、同社が2020年2月に提示した審査資料「柱状図・コア写真」の柱状図記事欄に関して、ボーリングコアの肉眼による観察結果に基づく記載を削除し、薄片試料の顕微鏡による観察結果に基づいた記載のみに計25ヶ所で書き換えていたと特定。そのうち18カ所は地層が固まっていない「未固結」との記述を「固結」に書き換えていたこともわかった。
同委員会は、敦賀原子力発電所2号機の安全審査を2月から中断。2020年10月には、日本原子力発電から必要データが同委員会に提出されたため、安全審査の再開を決めていたが、管理体制については審査を継続していた。そして7月、原子力規制庁は、調査の結果、同発電所では「必要な業務管理が適切に実施できていなかったことが確認された」との報告をまとめていた。
これを受け、今回の委員会では、「原子力規制検査においては、当面、①調査データのトレーサビリティが確保されること、及び、②複数の調査手法により評価結果が審査資料に示される場合はその判断根拠が明確にされること、の2点が確保される業務プロセスが構築されているかについて優先的に検査を進めることとし、審査チームは、このような業務プロセスの構築が確認されるまでの間は、審査会合を実施しない」と決めた。
【参照ページ】日本原子力発電株式会社敦賀発電所2号炉の新規制基準適合性審査の取扱い
【参照ページ】第23回原子力規制委員会
【参照ページ】第916回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合
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