農林水産省所管の国際農林水産業研究センター(国際農研)は8月31日、国際コムギ・トウモロコシ改良センター(CIMMYT)、バスク大学、日本大学生物資源科学部と共同で、窒素肥料の量を減らしても高い生産性を示す生物的硝化抑制(BNI)強化小麦の開発に成功したと発表した。
開発したBNI強化コムギは、高いBNI能を持つ野生コムギ近縁種であるオオハマニンニクの属間交配により、多収品種にBNI能を付与した系統。この過程で、オオハマニンニクの持つBNI能を制御する染色体領域を特定し、交配によるBNI能の導入が可能となった。
また、BNI強化コムギは、土壌中のアンモニウムの硝化を遅らせることで、土壌のアンモニウム濃度を向上させ、低窒素環境でもコムギの生産性を高めることができるという。
世界の小麦生産面積は約2億2,500万ha。国際農研によると、様々な小麦品種にオオハマニンニク由来のBNI能を付加することで、硝化による農地からの温室効果ガス排出や水質汚染を低減し、生産性を向上させながら、気候変動を緩和できるという。
同研究の成果は、科学雑誌「Proceedings of the National Academy of Sciences of United States of America(PNAS)」オンライン版に掲載された。
【参照ページ】世界初!少ない窒素肥料で高い生産性を示すコムギの開発に成功
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