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【国際】全米熱帯まぐろ類委員会、マグロの漁獲可能量を15%増。日本の水産庁が提案

 東太平洋のマグロ資源管理を所管する国際機関「全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)」の全体会合は10月21日、太平洋クロマグロの漁獲可能量(TAC)を15%引き上げることを最終承認した。日本の水産庁が2020年に起案し、1年越しに承認された。IATTCが、2015年に漁獲制限を導入して以降、漁獲可能量を引き上げたのは今回が初。

 回遊魚であるマグロの資源管理では、東太平洋所所管する「全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)」と、西太平洋を所管する「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」が緊密に連携しており、日本政府としては主要漁場の西太平洋での漁獲制限を引き上げるためには、IATCCでも承認される必要があった。WCPFCは12月に会合を予定しており、IATTCの決定が影響を与えるとみられている。

 今回の決定は、IATTCの科学委員会の予測で、2024年までに資源再構築の初期目標に到達する可能性が100%とされたことを受けたもの。30kg以上の成魚の漁獲制限を15%引き上げたが、幼魚については維持。これにより、成魚の漁獲制限を個別に設けていない国については、中西部太平洋の場合は30t、東部太平洋の場合は200tの追加が認めらた。小魚の漁獲制限の10%には、0.68の換算係数を適用することができる。日本の水産庁は、産卵能力を持つ成魚の資源(産卵バイオマス)が回復傾向にあることを挙げ、成魚と幼魚の両方について20%の増加を提案していた。 

 今回の決定プロセスでは、8月のIATTC合同作業部会で承認されたが、同月に開催されたIATTCの前回の全体会合では、WCPFCから正式な勧告が出るまで最終決定しないとしていた。それを受け、10月初旬のWCPFCの北部委員会(WCPFC-NC)で勧告を採択。今回IATTCでも正式承認が決まった。

 またIATTCは今回、熱帯マグロの複数年管理計画を承認するとともに、漁船の電子モニタリングの要件を改善することも決議した。マグロの水揚げ漁港を抱える全ての加盟国は、違法漁船の水揚げを禁止ルールを導入することも決めた。各国はキャパシティ・ビルディングで協力し合う。但し、漁船から輸送船への魚介類の移動(トランシップ)の規制強化は見送った。

 米海洋NGOピュー・チャリタブル・トラストは、今回の決定を受け、漁獲制限の緩和を批判しつつ、水揚げルールの強化は歓迎した。

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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