英ビジネス・エネルギー・産業戦略省は12月20日、石油・ガスの採掘ライセンス許認可での新たな条件設定に関するパブリックコメントの募集を開始した。同省は、今後のライセンス許認可について、英政府の2050年カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)目標に準拠していることを条件とする。
同省の閣外相は2020年9月、英国での石油・ガス採掘ライセンスの付与が、英国のカーボンニュートラル政策と整合するかどうかのレビューを実施することを要請。それを受け、3月、今後の北海での石油・ガス採掘政策を整理した「北海トランジション・ディール」を発表。その中で、石油・ガス探査の許認可を継続することは、原則として英国の気候目標に整合すると結論づけられたが、気候適合性の判断基準(チェックポイント)を設け、将来の許認可が英国政府の気候目標に整合するかどうかを、次の許認可ラウンドが始まる前に常に評価できるようにすべきと勧告されてた。
北海トランジション・ディールでは、石油・ガス開発については、今後約10年間は、採掘時の二酸化炭素排出量をカーボンニュートラル化しながら、長期的には石油・ガス開発で培った技術を活用し、炭素回収・利用・貯留(CCUS)や水素に関する技術開発を進め、国内の雇用を維持、さらには創出しながらエネルギー転換を進める方針を掲げている。英国政府として、北海油田開発で得てきた便益を過去のものと位置づけ、現地雇用を活用したクリーンエネルギーの輸出市場で競争力を高める道を明確にしている。
今回掲げた「チェックポイント」は、石油・ガスの国内需要、同セクターの予測生産量、二酸化炭素回収や水素発生等のクリーン技術の普及、排出量削減目標に対する同セクターの継続的な進捗状況等、新規ライセンスの評価に使用できる評価項目を設定。長期的な石油・ガスの生産減と、短期的なエネルギー確保のバランスを採る重要な判断材料となる。
同省は、今回収集したパブリックコメントを基に、チェックポイントを設定し、その後、設定した判断基準に基づき採掘の許認可を行っていく。
【参照ページ】UK government seeks views on new oil and gas climate checkpoint
【参照ページ】North Sea Transition Deal (accessible webpage)
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