国連環境計画(UNEP)は5月、金融機関向けに、海洋石油・ガスの探査・採掘に伴う財務リスクと環境影響を分析したレポートを発行した。UNEPは海洋経済(ブルーエコノミー)に関する分析レポートを連続発行しており、今回もその一環。
同レポートでは、UNEPは、ブルーエコノミーを促進する考えを表明。経済協力開発機構(OECD)の予測を基に、2010年に1.5兆米ドル(約190兆円)規模のブルーエコノミーの市場規模は、2030年までに3兆米ドル(約380兆円)にまで拡大することを説明した。しかし、全ての海洋関連産業が望ましいわけではなく、海洋石油・ガス探査に関しては、強く否定的な関係を伝えた。
まず、気温上昇を1.5℃に抑えるためには、化石燃料を早く段階的に廃止し、再生可能エネルギーの投資が必要と指摘。そのため、海洋石油・ガスの新たなプロジェクトは容認しえず、既存の採掘も大幅かつ緊急に削減する必要があるとした。金融機関が化石燃料へファイナンスし続けることは、パリ協定と矛盾すると言明した。
そこで、ファイナンスを継続している金融機関は、国際エネルギー機関(IEA)の2050年ネットゼロエミッションシナリオ(NZE)と相容れない新規油田・ガス田開発等への金融サービスの提供を控えるとともに、既存の石油・ガス顧客に対しNZEへの信頼できる移行戦略の策定を求めるべきとした。
【参照ページ】HARMFUL MARINE EXTRACTIVES: OFFSHORE OIL & GAS
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