2050年までのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットする金融機関イニシアチブの連合体「ネットゼロのためのグラスゴー金融同盟(GFANZ)」は6月15日、金融セクター向けの「ネットゼロ・トランジション計画(NZTP)フレームワーク」の草案を発表。パブリックコメントの募集を開始した。
今回発表された計画フレームワークでは、金融機関が実体経済のカーボンニュートラル移行を支援するために必要な4つのアプローチを特定した。
- 高排出源を代替するネットゼロ・テクノロジーやサービスの開発・拡大に資金を提供
- 1.5℃パスウェイを達成した企業への支援を強化
- 高排出および低排出の実体経済企業が、各セクターの1.5℃パスウェイに沿った事業活動を行う能力を強化
- 高排出のアセットの段階的な廃止を加速
その上で、フレームワークの構成要素は、目的及び優先順位設定、実行戦略策定、エンゲージメント戦略策定、指標と目標によるマネジメント、ガバナンスの5つ。また今後、気候変動適応、カーボンクレジット、データ、カーボンニュートラル目標設定、ジャスト・トランジション(公正な移行)、生物多様性及び自然を軸としたソリューション(NbS)についても作業を進める意向を示した。
また今回同時に、関連ガイダンス、金融ポートフォリオの1.5℃整合性測定に関する概念メモ、実体経済のトランジション計画への期待に関する導入メモ、高排出アセットの段階的廃止に関するレポートも発行した。
関連ガイダンスでは、各セクター毎に1.5℃目標のために在るべき削減ペースを分析した上で、バックキャスティングで各セクターの企業に事業・技術転換を求め、支援していくという在り方を鮮明にした。
高排出アセットに関しては、炭鉱、化石燃料火力発電、油田、ガスパイプライン、製鉄所、船舶、セメント工場、自動車等を例示した。
今回のNTZPフレームワーク策定に参画した機関は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、第一生命インターナショナル、HSBC、UBC、ウェルズ・ファーゴ、バンコ・ブラデスコ、マッコーリー・グループ、コマーシャル・インターナショナル・バンク・エジプト、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)、Aviva、Robeco、Impax Asset Management、インテサ・サンパウロ、Nationwide Building Society、ブルームバーグ、ムーディーズ、MSCI、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)、IIGC、CDP、Ceres、ICEA Lion、WTW。
【参照ページ】GFANZ Releases Guidance on Credible Net-zero Transition Plans and Seeks Public Input to Accelerate Action
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