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【アメリカ】2022年株主総会シーズン、ESG株主提案で34件が可決。人権、気候変動、ロビー活動等

 ESG議決権行使調査NGOProxy Previewは7月13日、米国での2022年株主総会シーズンのハイライトを発表。主要企業はESG関連株主提案は529件あり、前年度を20%以上も上回った。そのうち282件は実際に株主総会で採決され、34件が多数決で可決されていた。

 529件の株主提案のうち、米証券取引委員会(SEC)が2月の時点ですでに株主提案拒否申請を認めたのはわずか11件。また株主総会前に株主提案が撤回されたものも106件あった。但し、2月の時点でSECで審査中案件が106件あった。

 多数の支持を集め可決されたのは、まず、DE&Iに関連する人権正義や人権監査実施の株主提案。アルトリア(64.2%)、アップル(62.2%)、ホームデポ(62.8%)、ジョンソン&ジョンソン(62.6%)、マキシマス(64.2%)、マクドナルド(55.8%)、廃棄物管理ステリサイクル(60.6%)やウェイストマネジメント(55%)の8社で可決された。

 同様に、セクシャルハラスメントや差別等を従業員の守秘義務対象から除外する株主提案も、サンラン(98.2%)、ツイッター(68.9%)、IBM(64.7%)、アップル(50%強)だった。

 性別、人種、エスニシティでの賃金格差の開示も、ウォルト・ディズニー(59.6%)、ロウズ(58%)で可決された。

 気候変動に関する株主提案では、カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)の計画、目標策定、報告に焦点を当てたものが多く、そのうち5社は、取締役会側も賛成推奨し、90%以上の賛成票を得て可決された。具体的には、シェブロンで、メタンガス削減目標の報告、キャタピラーとボーイングで二酸化炭素排出量削減計画の報告、フーズ・ホールディングとビルダーズ・ファーストソースで二酸化炭素削減目標のカーボンニュートラル採択。

 取締役会側が反対推奨した事案でも、エクソンモービルでは、気候変動計画の第三者監査実施で51%が賛成。銀行や保険会社に化石燃料ダイベストメントの実行を要求する事案では、Chubb(72,2%)、トラベラーズ(55.8%)で保険引受禁止の株主提案が可決された。

 コストコ・ホールセールでは、カーボンニュートラルの二酸化炭素排出量削減目標策定に70%が支持。ダラー・ツリーでも54.8%が賛成し可決。

 ドミニオン・エナジーでは、天然ガス資産に関する座礁資産リスク報告書の作成を要求する事案がが80%の賛成を得、可決。ジャック・イン・ザ・ボックスでは、プラスチック容器・包装の使用に関する報告に95.4%の賛成票が集まった。フィリップス66では、50.4%の賛成で可決された。

 ホーム・デポでは、1999年に策定した持続可能な木材調達に関する方針の実行度合いの報告を要求する事案で64.7%が賛成し、可決された。

 また、今年の特徴は、ロビー活動の透明性を求める株主提案も目立った。選挙応援費用の透明化を求める株主提案が、ダラー・ジェネラル(57%)、ツイッター(53.4%)で可決。ロビー活動に関する報告も、ネットフリックス(60.4%)、トラベラーズ(52.7%)で可決された。さらに、ギリアド・サイエンシズでは、ロビー活動に関する方針と、支援先の政治家の活動との不整合に関する報告を求める新たな種類の株主提案も登場し、ギリアド・サイエンシズで50.2%の賛成で可決。ジョンソン&ジョンソンでも43.3%の賛成票を集めた。

 他に、最終的に反対多数で否決されたが、大きな注目を集めたのは、マクドナルドでのプラスチック汚染対策の行動リストを作成するよう求めた株主提案で、41.9%が賛成。大幅に支持が集まってきている。

 また、中絶問題では、ロビー活動で中絶賛成派議員への支援への監視を強化する株主提案が、AT&T(44.1%)、ホーム・デポ(42.6%)で賛成が高まった。中絶へのアクセス権に関する株主提案でも、ロウズ(32.2%)、TJX(30.2%)の賛成で、来年以降への増加が予想される。

【参照ページ】In Historic Year of Filings, ESG Shareholder Resolutions Continue to Define Corporate Risk
【参照ページ】41% of McDonald’s Shareholders Support New Action on Reducing Plastics Packaging Pollution

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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