国連総会は7月28日、クリーンで健康、かつ持続可能な環境へのアクセスを普遍的な人権と宣言する決議を、賛成161、棄権8の賛成多数で採択した。国連人権理事会(HRC)で2021年10月に行われた同様の決議では、日本政府は棄権したが、今回は賛成に回った。
【参考】【国際】国連人権理事会、持続可能な環境への権利を「人権」と決議。日中印ロのみ棄権(2021年10月9日)
今回の決議は、HRCでの決議文書を国連総会に持ち込み、国連全加盟国での採択審議にかけたもの。棄権したのは、中国、ロシア、ベラルーシ、カンボジア、イラン、シリア、キルギスタン、エチオピアの8ヶ国。それ以外は全て賛成した。アントニオ・グテーレス国連事務総長は「歴史的な決議」と評した。
今回の決議では、気候変動、天然資源の持続不可能なマネジメントと使用、大気・土壌・水系の汚染、化学物質と廃棄物の持続不可能なマネジメント、生物多様性の喪失が、人権侵害に該当することを宣言した。人権は、普遍的管轄権が認められる国際慣習法として認められており、条約化しなくても法的拘束力を持つと解釈される。持続可能な環境へのアクセスが人権として扱われることは、国際人権法に大きな変化をもたらすものとなる。
同決議案は、コスタリカ、モルディブ、モロッコ、スロベニア、スイスの5カ国による共同提案。2021年6月に提出され、国連人権理事会で先んじて審議され、今回国連総会での決議となった。
【参照ページ】UN General Assembly declares access to clean and healthy environment a universal human right
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