世界経済フォーラム(WEF)は10月7日、インドの子供たちの学習格差を改善するイニシアチブ「Education 4.0 India」の進捗と知見に関する報告書を発表した。依然として学習成果に課題があり、新たな提案も行った。
同イニシアチブは、インドの教育セクターを対象に、格差に対処し子供たちのエンパワーメントとエンゲージメントすることが目的としている。学校制度の改善のためのロードマップ提案や、EdTech業界のステークホルダーへの呼びかけを行っている。
今回の発表では、インドの学習環境の改善は進んでいるが、子供たちの学習成果の低さを課題と指摘。2021年の全国学力調査では小学生の約50%が学年相応のレベルを下回っており、新型コロナウイルス・パンデミックにより影響が増加していると報告した。
これらを改善するため、各自治体、パートナーが実施可能なパイロット版の教育フレームワークとベストプラクティスを提案。幼稚園から高校3年生までのイノベーションが必要な4つの重点テーマ「基礎的な読み書きと計算能力」「教師の専門性の開発」「学校から職場へのスキルの接続」「教育アクセス範囲の拡大」における課題を特定し、具体的な支援策とケーススタディ、実施ロードマップも併せて提供した。
基礎的な読み書きと計算能力のテーマでは、早期学習において手頃なボリュームの「バイトサイズ」の学習コンテンツがないと子供が興味を示さず学習が進まないことがわかった。教育を受けていない保護者の関心も集めることができないため、デジタルツールの活用を促した。
新しいツールを活用した教育コンテンツの提供には、教師の専門性の能力開発が必要になるため、教員研修の質を向上させることや、研修とキャリアアップの関連性を体系化し、総合的な研修プログラムの開発と参加をさせること等を提案した。
3つ目のテーマである学校から職場へのスキルの接続では、インドの学校の85%では職業訓練コースが導入されていないため、学生が即戦力として就職することに焦点を当て、デジタルと実地訓練のハイブリッドモデルの支援策をまとめた。また、新型コロナウイルス・パンデミックの影響によりデジタル学習が教育の中心となったが、デジタル格差が拡大しデバイスやインターネット接続できない人々が取り残されている。
4つ目のテーマであるアクセス範囲の拡大では、学校のデジタルインフラのランク毎に分類し、それぞれのレベルに応じた支援策を提示した。
【参照ページ】Education 4.0 India Report Highlights Solutions to Strengthen Digital Infrastructure for Learning in India
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