米バイデン政権は11月10日、連邦政府公共調達での気候変動財務リスク公表を義務付ける連邦調達規則(FAR)改定案を発表した。金額の大きいサプライヤーに対し、スコープ3排出量算出や科学的根拠に基づく削減目標設定を義務化する。
今回の新ルール案では、年間契約金額が5,000万米ドル(約70億円)以上の公共調達での取引先(サプライヤー)に対し、スコープ1、2、3の排出量を開示した上で、科学的根拠に基づく削減目標の設定を義務化する。
また、年間契約金額が750万米ドル(約10億円)以上5,000万米ドル(約70億円)未満の公共調達での取引先(サプライヤー)に対しては、スコープ1と2の排出量の報告を義務化する。
但し、中小企業に関しては、年間契約金額が5,000万米ドル(約70億円)以上であっても、スコープ1と2の排出量の報告義務のみが課される。
米大統領府は今回、同施策の背景について、連邦政府としての気候関連財務リスク対策であり、サプライチェーンでの削減を行うと説明した。米連邦政府の2021年度の公共調達金額は6,300億米ドル(約88億円)。「連邦政府は気候変動による重大な財務リスクに直面している」と語った。
大統領府は、義務化する排出量算出や目標設定の手法に関し、CDP、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)等の基準を活用すると言及した。
またバイデン大統領は11月10日、食料安全保障の観点から農業の将来リスク対策を進める国家安全保障覚書16にも署名した。対策では、食品・農業における化学、生物、放射線、核(CBRN)の脅威、サイバーセキュリティ、気候変動の3つのリスク対策を進める行動を開始した。
【参照ページ】FACT SHEET: Biden-Harris Administration Proposes Plan to Protect Federal Supply Chain from Climate-Related Risks
【参照ページ】FACT SHEET: Biden-Harris Administration Releases National Security Memorandum to Strengthen the Security and Resilience of U.S. Food and Agriculture
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