東京都議会は12月15日、都内に供給する建物の年間合計延床面積が20,000m2以上の大手事業者に、再生可能エネルギー設置を義務付ける改正環境確保条例案を可決し、同条例が成立した。主にハウジングメーカー50社が対象となる。住宅にまで設置義務を課す条例は全国初。
【参考】【日本】東京都、大手ハウジングメーカー対象に住宅への太陽光発電設置義務へ。条例改正(2022年11月23日)
今回の条例では、太陽光発電を念頭に置きながらも、再生可能エネルギーの設置義務としているため他の発電も許容している。1棟あたり2kWの基準量を掛け合わせ、地域毎の日当たり条件係数も加味し、発電容量の目安値を設定。対象事業者は毎年、東京都に対する報告義務も持つ。目安を達成できなくても、罰則はないが、東京都は是正に関する助言・指導の権限を持つ。また、改善が見られない場合は、事業者名の公表も行う考え。
義務化対象となる物件は、都内での年間新築建物46,000棟のうち、半数程度となる見通し。再生可能エネルギーの設置場所は、原則敷地内だが、リース等も可。新築物件ではなく、都内既存住宅への新規設置で代替できる制度も設けるが、代替できる上限を設定する。さらに、駐車場付建物1棟毎にEV充電設備用ケーブル等、さらに駐車区画10台以上の場合EV充電設備の整備も義務化する。
東京都によると、今回の施策による二酸化炭素排出量削減効果は、2030年の時点で43万t。東京都が掲げる、家庭からの排出削減目標の5%に相当する。東京都は、対象事業者に対する支援策として、同日成立した補正予算で、300億円規模を用意。住宅の商品開発等に上限1億円を助成する。
東京都議会では、与党の都民ファーストの会、公明党、共産党、立憲民主党等が賛成。一方、都議会第1党の自由民主党は、「太陽光発電は推進する立場だが、現時点で義務化は都民に十分に理解されておらず、納得してもらえる状況にない」等を理由に反対した。賛成多数で可決、成立した。
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