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【ヨーロッパ】EUと英国、再エネ整備加速で相次ぐ政策発表。洋上風力や太陽光

 英ビジネス・エネルギー・産業戦略省と北海エネルギー協力(NSEC)加盟9ヶ国は12月18日、北海での洋上風力発電及び系統開発で協力する協定に署名した。

 英政府は現在、2030年までに洋上風力発電の設備容量を50GWにまで増やす政策を掲げており、北海の近隣諸国との系統整備での協力は不可欠な手順。英国は現在、フランス、ベルギー、オランダ等の近隣諸国と系統連系しているが、今回の合意により、さらに系統連系を強化することができる。

 NSEC加盟国は現在、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、アイルランド、ルクセンブルク、オランダ、スウェーデン、ノルウェーの9ヶ国とEUで、今回一括で、協力関係を結ぶことに成功した。これにより、約30億ポンドのコスト削減効果が生まれるとみている。

 またEUでは12月9日、欧州委員会が「欧州太陽光発電産業連合」を発足し、企業、研究機関、業界団体等を結集。EUのエネルギー政策「REPowerEU」の柱の一つに据えた。REPowerEUでは、太陽光発電を2025年までに新たに320GW以上、2030年までに600GWを整備する計画を掲げている。同連合は、バリューチェーン全体で、2025年までに欧州の太陽光発電パネル製造能力を30GWに引き上げ、域内生産を加速。GDPで年間600億ユーロ、雇用40万人以上の新産業を創出しにいく。

 EU加盟国閣僚級のEU理事会も12月19日、再生可能エネルギー指令の改正に関し、2030年までにエネルギー全体にしめる再生可能エネルギー割合を現行の32%から40%以上へと引き上げることを再度確認。同指令改正に向けたEU理事会としての骨子で合意した。今後、欧州議会との立法調整を進めていく。

 今回の合意では、同指令発効の18ヶ月以内に、2030年の再生可能エネルギー目標を達成するための、候補地マッピングを実施することで合意。またEU加盟国は、同指令の発効30ヶ月以内に、「自然エネルギー利用可能地域」を指定する計画を採択する。自然エネルギー利用可能地域は、生態系等を踏まえ、陸、海、内水が指定対象となる。対象地に関しては、環境影響の緩和策も計画。但し、計画を迅速に進めるため、通常のプロジェクト単位の環境影響評価(環境アセスメント)ではなく、計画全体で簡略化した環境影響評価を行う。

 また、自然エネルギー利用可能地域の指定では、バイオマス火力発電や水力発電所は除外する。指定地域に関しては、公共の利益を強調し、発電所新設に関する法的な異議申立ても制限する。自然エネルギー導入の加速化に適しているとすでに指定されている地域については、EUの自然保護区ネットワーク「ナチュラ2000」の対象地域ではなく、すでに環境影響評価を実施している場合には、6ヶ月という短い期間で指定作業を終えることにも合意した。

【参考】【EU】EU理事会、再エネ割合40%への引上げで合意。データセンターも省エネ対象(2022年6月28日)

【参照ページ】UK signs agreement on offshore renewable energy cooperation
【参照ページ】REPowerEU: New industrial Alliance to boost the EU's solar power and energy security
【参照ページ】REPowerEU: Council agrees on accelerated permitting rules for renewables

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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