日本取引所グループ(JPX)は1月20日、「TCFD提言に沿った情報開示の実態調査」レポートを発表。東京証券取引所は、2021年発行のコーポレートガバナンス・コードで、東証プライム上場企業に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に基づく開示を「コンプライ・オア・エクスプレイン」型で要求しており、現在東証プライム市場上場銘柄は1800以上あるが、同実態調査では、JPX日経インデックス400構成銘柄しか対象になっていない。
【参考】【日本】東証、改訂コーポレートガバナンス・コードを発表。金融庁は対話ガイダンス改訂版発表(2021年6月12日)
開示状況では、TCFDの開示11項目に応じ、開示企業率を集計。概ね60%前後の開示率だったが、気候変動が統合的リスク管理(ERM)に統合されているかは47%、スコープ3排出量は48%にとどまった。全11項目を開示している企業が102社あった一方、1項目も開示していない企業が82社、1項目しか開示していない企業が20社、2項目が16社、3項目が6社もあった。3項目未満の開示企業で比較的多く開示されていたのは、「スコープ1と2の排出量」と「リスクと機会」だった。
また前年比較のデータも掲載されているが、前年は2021年3月末時点でTCFDに賛同していた上場会社259社を対象にしているため、正確な比較とはなっていない。
開示媒体では、統合報告書が圧倒的に多く約半数。他には、サステナビリティレポート等が20%強。TCFDの個別レポートを発行している企業は10%未満。業種別では、サービス業の著しい遅れが目立つ。
【参照ページ】「TCFD提言に沿った情報開示の実態調査(2022年度)」の公表について
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