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【EU】欧州委、各加盟国に労使対話強化を提案。雇用創出の公平・サステナビリティ・インクルージョン

 欧州委員会は1月25日、EU加盟国に対し、労使対話を強化するための具体的アクションを強化する方針を発表した。雇用主と労働者を代表する組織(ソーシャルパートナー)同士の社会対話を促進し、ディーセント・ワークを実現するためEUレベルと国レベルでの推奨アクションをまとめた。

 今回の発表は、ポルトガルが議長国だったEU理事会が2021年5月に開催した「ポルト社会サミット」において、EU理事会議長国ポルトガル、欧州委員会、欧州議会、ソーシャルパートナーが調印した「ポルト社会宣言」に基づくもの。同宣言は、新型コロナウイルス・パンデミックからの雇用回復で、インクルージョン、サステナビリティ、公平(フェア)を重視し、2030年までの具体的なアクションを約束していた。

 欧州委員会は今回、社会対話が、賃金、労働時間、休暇、研修など、生活や労働条件の改善に役立ち、競争力を強化する上でも重要な役割を担っていると指摘。新型コロナウイルス・パンデミックの流行時には、ソーシャルパートナー同士の社会対話によって職場の安全衛生対策や短時間労働制度の編成を迅速に支援した。また、「デジタルの10年」政策や欧州のカーボンニュートラルでの国際競争力強化に向けたグリーンディール産業計画の実現に向け、必要なグリーンスキルやデジタルスキルの獲得のためには雇用者、労働組合同士の対話が必要不可欠とした。

【参考】【EU】欧州委、「グリーンディール産業計画」発表。投資拡大で新たな政策確立へ(2023年2月2日)
【参考】【EU】EU理事会、2030年までの「デジタルの10年」政策を採択。2030年2000万人(2022年12月22日)

 今回の発表は、社会対話を促進するためソーシャルパートナーの関与頻度や質を強化するためのもの。加盟国での差が大きく、EU域内での労働協約を締結する対象となる組織数は2000年の約66%から2019年の約56%に減少している。新しい雇用形態や若者等の特定の属性への対応も行うために。EUレベルと国レベルでの提案をまとめた。

 国レベルの提案では、各国の慣行に従い経済・雇用・社会政策の立案と実施でのソーシャルパートナー同士の対話の奨励、新たなまたは非正規の雇用形態にも焦点を当てること、労働者代表組織や使用者代表組織のキャパシティビルディングを支援すること等を提案した。

 EUレベルの提案には、国レベルの提案内容を各加盟国に対し実行支援するとともに、EUレベルの法規制制定過程でもソーシャルパートナーの関与も強化。必要に応じてEU法改正も検討する。同時に、ソーシャルパートナーに対し、各々の代表性を向上するため、加盟機関を増やす組織改革も要請する。欧州委員会は、ソーシャルパートナーと協力し、EUの社会的対話を監視し、促進するための研究ネットワークも立ち上げる。

 欧州委員会は、国際労働機関(ILO)や経済協力開発機構(OECD)等との定期的な協力を通じ、社会的対話の国際的な促進を続けていく。欧州委員会は、加盟国に対し、ILO条約の批准と効果的な実施を継続することも求めていく。

 欧州委員会は、今後、加盟国と協議し、最終的にEU理事会で今回の提案を採択したい考え。採択後は、各加盟国はKPIの設定が義務付けられ、欧州委員会の進捗報告が求められるようになる。

 欧州委員会は、ポルト社会宣言の中で、2030年の政策目標として、雇用率78%以上、毎年キャリア・スキル研修に参加する大人60%以上、社会排除や貧困のリスクにさらされている人を全体で1,500万人以上、子供で500万人以上減少させることを掲げている。

【参照ページ】Commission sets out concrete actions for greater involvement of social partners at national and EU leve

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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