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【日本】花王、生物多様性レポート公表。TNFDのLEAPアプローチ活用し、17の機会・リスク特定

 花王は4月10日、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)のLEAPアプローチに即して作成したレポート「生物多様性がもたらすビジネスリスクと機会 –TNFD評価 地域特性を踏まえたケーススタディ–」を公開した。アクセンチュアと共同検討した。

 同社は2022年4月、TNFDフォーラムに参画し、分析手法開発状況の把握や公開された手法に対するフィードバック、他企業との情報交換を行ってきた。また同社は、生物多様性の基本方針の改訂も行い、持続可能な原材料調達や、限られた原料を有効活用するための技術開発を進めてきた。

 今回のレポートでは、TNFDのLEAPアプローチに即し、生物多様性と事業の関係を確認。さらに、今後の自然の状態と経済発展を考慮した上で、ものづくり企業を想定したシナリオを検討。生物多様性や経済、社会の変化が、同社の事業活動や財務情報に、どのようなリスクや機会を与えるのかを考察するとともに、花王やものづくり企業にとって、自然への貢献が高く、事業へのメリットが大きいと考えられる事業機会領域を調査した。

 具体的な「Locate(発見)」の作業では、世界全体の地図を経度0.5°x緯度0.5°の単位に分割し、サプライチェーン各段階における花王の事業活動の実施場所を、原材料生産地、花王とサプライヤーの工場、主要消費地までマッピング。その上で、重要性、完全性・水リスクの3つの観点から生物多様性の概況を評価し、詳細分析すべき地域を特定した。その結果、花王の関与可能性がある地域のうち、28%が優先度高く自社リスクを確認すべき地域であることがわかった。

 次の「Evaluate(診断)」の作業では、生物多様性上の重要と判明した地域のうち、自然が劣化傾向にある地域を特定。当該地域への花王の事業の依存度をもとに自然が劣化した際の潜在的な事業への影響を算出し、特に影響が大きい事業活動および地域を抽出した。結果、原料生産では森林カバー率の減少により、保護機能の低下や陸域生態系への悪影響が、製造・消費では水質・土壌の汚染状態が、全工程において二酸化炭素排出量が、プラネタリー・バウンダリーから逸脱しつつあり、大きな事業影響に繋がり得ることがわかった。

 3段階目の「Assess(評価)」の作業では、自然・経済・社会等のマクロ環境の将来シナリオを独自に複数パターン作成し、シナリオ分析を実施。シナリオ毎に重要となる移行リスクや物理的リスクを把握。リスクと機会の双方で、17の重点領域を整理し、重要性評価を行った。今後、各々の対策を強化していく模様。

【参照ページ】花王、TNFDのフレームワークを活用した生物多様性に関するレポート「生物多様性がもたらすビジネスリスクと機会」を公開
【レポート】生物多様性がもたらすビジネスリスクと機会 –TNFD評価 地域特性を踏まえたケーススタディ–

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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