世界経済フォーラム(WEF)は5月25日、暗号資産(仮想通貨)に関する国際的な規制動向をまとめた白書を発表した。進展が進んでいない暗号資産に関する規制の国際協調について在り方を伝えた。
WEFでは、暗号資産のエコシステムが容易に国境を跨ぐことや、暗号資産エコシステム間や従来の金融システムとの相互接続の可能性が高いことから、グローバルで協調した規制が必要とみている。
一方、暗号資産に関する分類法やタクソノミーに関する調和の欠如、各当局が規制枠組みを個別に進化させる現在の慣行、様々な法執行機関の連携不足により、規制のグローバル協調が非常に困難になっていると指摘した。
各国でのエコシステム規制動向については、原則主義、リクスベース規則、アジャイル主義、自主規制・共同規制、行政措置による規制等、複数の異なるアプローチが採用されていることを紹介した。日本に関しては、「自主規制・共同規制」型と位置づけた。同白書では、それぞれの特徴や長所と短所を整理している。
これらを踏まえ、国際機関に対しては、暗号資産および関連する活動の分類法やタクソノミーに関する調和のとれた理解を促進し、ベースラインの規制基準を設定することを提言。相互運用性を可能にするパスポート性とデータ共有を提唱した。
各地域や各国の規制当局に対しては、イノベーターに予見可能性を提供するため、国内部門間の調整に焦点を当てるべきと提言。エコシステムを適切に規制するためのガイドラインやベストプラクティスの枠組みを開発し、分野横断的なリスクに対処するが重要と伝えた。また、法規制遵守や報告の自動化、リアルタイムでのリスク警告、規制変更の追跡のため、テクノロジーと分析サービスを活用することも訴えた。
業界リーダーに対しては、相互運用可能な技術標準の策定を継続し、ベストプラクティスの確立と普及に注力すべきと地現。さらに、責任あるイノベーションを目指し、政策立案者や規制当局と連携し、教育的な取り組みに力を入れるよう要請した。特に、既存の成熟産業での例から学ぶことは多く、例えば、クレジットカードのデータセキュリティ基準や外国為替市場における優良慣行のグローバル原則(グローバルFXコード)を進化させた長年の経験を参考にすることができると伝えた。
【参照ページ】New Report Identifies Top Barriers and Potential Solutions in Global Crypto-Asset Regulation
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