食品世界大手ダノンは11月22日、10以上の財団等が2022年3月に共同設立した「グローバル・メタン・ハブ(GMH)」とのパートナーシップを締結したと発表した。酪農・畜産家のメタン排出量削減のため、グローバル・メタン・ハブが展開するプログラム「腸内発酵R&Dアクセラレーター」を通じ、スケーラブルで実用的な新たなソリューション開発を目指す。
GMHの創設メンバーは、ブルームバーグ・フィランソロピーズ、IKEA財団、スカル財団、児童投資基金財団、ブレークスルー・エナジー、グランサム財団、ウィリアム&フローラ・ヒューレット財団等。
GMHは2021年に13ヶ国・地域が「グローバル・メタン・プレッジ」を発表したことを受け、自主的に創設。同プレッジの署名国数はすでに110を突破している。同ハブは、化石燃料採掘でのメタン漏出だけでなく、農業や畜産でのメタン削減にも注力している。
【参考】【国際】13カ国・地域、石油ガスのメタン放出・漏出削減で合意。CO2削減とエネルギー危機(2022年6月19日)
同プログラムは、GMHが反芻動物での消化メタンの削減に向けた研究アクセラレーター・プログラムを実施。すでに政府や財団等から2億米ドル(約300億円)の資金を集めているが、ダノンが企業として最初の参画事業者となる。研究対象には、飼料添加物によるメタン発生の抑制、動植物の遺伝学、メタンワクチン、利用しやすくアフォーダブルな測定技術等が含まれる。
ダノンは別途、GMHとの間で、乳牛のメタン排出量算定と飼料最適化の意思決定支援ツールの開発も進める。具体的には、北アフリカにあるダノンの小規模酪農サプライヤーを対象とし、まずモロッコで1,000戸の酪農家を対象に最初の実証運用を行う。同ツールは、酪農アドバイザーが、地元で入手可能な高品質の飼料から、混合飼料を生産する作業をサポートする。これにより、酪農の生産性工場、農家の所得増、メタン排出量削減を実現する。
ダノンは、今回のパートナーシップを通じ、学術専門家や技術プロバイダーと協力し、規制当局の承認に向けた申請書類の作成も進める。また、複数国の多様な農場システム向けのイノベーション開発を加速させる。
【参照ページ】Danone and the Global Methane Hub join forces together to accelerate innovation in methane reduction
【画像】Danone
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