2050年までの投融資ポートフォリオのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットする銀行のイニシアチブ「Net-Zero Banking Alliance(NZBA)」は1月3日、加盟銀行が140社を突破したと発表した。
【参考】【国際】Net-Zero Banking Alliance、加盟銀行が100社を突破。世界の銀行資産の43%(2022年1月20日)
現在の加盟銀行は140社。2023年にはパキスタンのハヒブ銀行、ギリシャのアルファ銀行が各国初の銀行として加盟。今回の発表では、中国初で香港の東亜銀行が加盟する等、45ヶ国から加盟銀行が集まった。2021年4月の発足時には43社だったが、約3年で3倍以上に拡大。そのうち3分の1以上は新興国銀行からの加盟。
【参考】【国際】43銀行、ネットゼロ・バンキング・アライアンス発足。NZAOA、NZAMに続く。日本の加盟ゼロ(2021年4月22日)
日本の銀行では現在、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、みずほフィナンシャルグループ、野村ホールディングス、三井住友トラスト・ホールディングス(SMTH)、農林中央金庫の6社が加盟している。
また、NZBAは2023年12月、2回目の年次進捗報告書を発行した。加盟銀行の3分の2以上が、1.5℃シナリオに沿った融資ポートフォリオでのカーボンフットプリントの中間目標を設定したと報告した。
【参考】【国際】Net-Zero Banking Alliance、初の進捗報告書発行。加盟の半数以上が中間目標設定済み(2022年11月24日)
NZBAの加盟機関は、投融資双方のポートフォリオでのカーボンフットプリントを2050年までに実現することにコミット。さらに加盟から18ヶ月以内に、2030年までの目標と2050年目標及び、2030年から2050年までの5年毎の中間目標を設定しなければならない。
18ヶ月以内に第一弾の目標設定をする期限を迎えた企業107社のうち、早期に目標設定した企業も含めて約9割の96社が目標を設定した。目標設定できていない企業は、目標設定に必要な組織キャパシティが不足している小規模な先進国の銀行と目標設定の根拠となる質の高いデータが不足している新興国の銀行だと補足。ガバナンスプロセスに則り目標設定期限が延長され、NZBAの支援を受けながら目標設定を目指すとした。
目標設定した企業の76%が電力セクターに対して中間目標を設定。前回の報告書が発行された2022年9月から2023年9月までの間に、鉄鋼・セメントセクターに目標を設定した企業の割合は18%から23%に増加、石油・ガスセクターでは51%から57%、不動産セクターでは38から45%に増加した。
【参照ページ】Net-Zero Banking Alliance reaches 140 members from 45 countries as it welcomes its first bank from China
【参照ページ】Net-Zero Banking Alliance progress update: Over two thirds of NZBA banks have now set targets aligned with 1.5°C scenarios
[2024.1.10修正]
一部内容を修正した。
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