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【国際】OECD、教育DXが各国で道半ばと報告。システム全体アプローチ提唱

 経済協力開発機構(OECD)は12月13日、報告書「OECDデジタル教育見通し」の2023年版を発行。新型コロナウイルス・パンデミックにより、世界各国でオンライン学習プラットフォームの導入が進んだが、教育のデジタル・トランスフォーメーション(DX)に向けたシステム全体のアプローチが採用されておらず、改善の余地が大きいと指摘した。

 オンライン学習プラットフォームの導入は、同報告書に含まれる29ヵ国・地域のうち26の国・地域で導入されている。現代会では、紙ベースの教材を、デジタル化した段階のところが多く、デジタル化教材は、29カ国中26カ国で利用されている。しかし、知的個別指導システムのようなAIを活用した教材を公に提供している国はなく、初等教育で活用しているのはオランダと米国の2カ国のみ。

 デジタルツールの利用可能性と実際の利用方法には大きな隔たりがあり、教員や管理者の包括的な専門能力開発とスキルアップの必要性が浮き彫りになっている状況。例えば、中等教育(高校)教師の60%が過去1年間にデジタル教育の研修を受けたにもかかわらず、20%がさらなる研修の必要性を訴えている。

 個々の生徒の進路に関する情報を収集するシステムが導入されているのは、19ヵ国・地域。しかし、統計目的で利用にとどまっている。標準化された全国評価の生徒個人の結果を統合しているのは45%、ダッシュボードやビジュアル化を提供しているのは31%、生徒と教師のデータをリンクさせているのはさらに31%。同様に、生徒の退学リスクを予測し、早期介入を促す早期警告システムを導入している国はわずか5カ国しかなかった。

同報告書では、本格的な教育DXに関する提言も実施。デジタルソリューションが特定の政策目標の達成に役立つ明確なユースケースの特定、教育エコシステム全体にわたるデータの相互運用性の強化、教育(エデュ)テックのプロバイダーが相互運用性標準を取り入れるインセンティブを与えるための公共調達の活用、アルゴリズムによるバイアス特定をプライバシー規制が妨げないようにすること等を提唱した。

 さらに生成AIの開発と利用が急速に進歩している状況を踏まえ、機会均等、プライバシー、偏見、透明性等の側面を考慮し、教育におけるAIの責任ある利用を実現するための新たなガイドラインが重要とした。

【参照ページ】System-wide approaches are needed to leverage the potential of digital education technologies to improve learning outcomes

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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