
世界経済フォーラム(WEF)は6月19日、世界各国のエネルギー転換状況を評価したランキング「エネルギー転換指数(ETI)」の2024年版の結果を発表した。首位はスウェーデン。日本120カ国中で26位、G7の中では5番目の順位と昨年より順位を上げた。
同ランキングは、120ヶ国を対象に、「エネルギーシステムパフォーマンス」「エネルギー転換への準備状況」の2つの分野で評価。エネルギーシステムパフォーマンスは、「公平性」「エネルギー安全保障」「環境サステナビリティ」の3つの観点、エネルギー転換への準備状況は、「規制と政治的コミットメント」「インフラ」「教育と人的資本」「イノベーション」「ファイナンスと投資」の5つの観点で現在の進捗状況を評価した。2012年から毎年、測定結果を発表し、今回で14年目。但し、評価手法そのものも時折改定されており、今回は所得水準や地域のエネルギー資源等、各国特有の特性を評価する新たな指標が追加された。
ETI 2024
- スウェーデン
- デンマーク
- フィンランド
- スイス
- フランス
- ノルウェー
- アイスランド
- オーストリア
- エストニア
- オランダ
- ドイツ
- ブラジル
- 英国
- ポルトガル
- ラトビア
- スペイン
- 中国
- ルクセンブルグ
- 米国
- チリ
2024年の結果では、世界の平均スコアは過去最高を記録したことを評価。一方で、ETIスコアの伸びが鈍化しており、2021年から2024年までの3年間のETIスコアの伸びは、2018年から2021年までのスコアの伸びの4分の1しかない。さらに、83%の国がエネルギーシステムパフォーマンスの3つの指標のうち、少なくとも1つの指標を悪化させた。
G7諸国では、フランス5位、ドイツ11位、英国13位、米国19位、日本26位、カナダ27位、イタリア41位の順。日本は2023年の結果では27位、今回は1ポイント順位を上げた。日本は、他の先進国と比較して、エネルギー転換への準備状況の「ファイナンスと投資」のスコアは高い一方で、「教育と人的資本」のスコアが著しく低い。特に、全労働人口に占める再生可能エネルギー雇用の割合で大きく遅れを取っている。
(出所)WEF「Energy Transition Index (ETI) Country Overview」
同報告書では、先進国と途上国のETIスコアの差は縮まっているが、クリーンエネルギー投資は依然として先進国と中国に集中していると報告。新興国や開発途上国における公平なエネルギー転換を促進するために、先進国からの財政支援や投資環境改善のための政策支援の必要性を強調した。
【参照ページ】Energy Transition Momentum Slowing amid Rising Global Volatility, New Report Finds
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