極度の貧困と飢餓の撲滅など開発分野における国際社会共通の目標を掲げたミレニアム開発目標が、2015年に達成期限を迎える。それを受け、国連により2015年9月に策定されることになっているのがSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)だ。SDGsでは、貧困に終止符を打つ、尊厳のある生活とすべての人に均等な機会を保証する、地球環境の安定性を保護する、という新たな開発目標が掲げられている。
国連グローバルコンパクトは10月7日、SDGsの新たな開発目標の達成に向けて民間セクターをその中心的役割に据え、企業の力を結集するべく、GRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)と共に協力して取り組んでいくと発表した。企業による責任ある事業慣行はイノベーションや投資、膨大な顧客基盤、そしてグローバルの労働力を通じてSDGsの目標達成を強力に後押しできるという期待からだ。
一方、SDGsは企業に対して目標を実現しやすい環境の整備とより効果的なパートナーシップを構築するための方向性やプラットフォームを提供することで、企業がビジネスに成功するチャンスを広げることができるとしている。
今後の具体的なアクションとしては、国連グローバルコンパクト、GRI、WBCSDの三者によるパートナーシップは国際的な専門家ネットワークと世界中の未来志向型企業の優れた視点を結集し、インパクト評価やKPI選定、目標設定に関する企業向けガイドブックを発行する予定だ。
このガイドブックは、企業が自社のインパクトを測定し、戦略の方向性をSDGsと一致させ、企業目標を設定する際の指針となるもので、2015年に出版される予定とのことだ。なお、ガイドブックの内容がSDGsおよび関連目標と一貫した内容となるように、このパートナーシップはポスト2015年開発アジェンダにおける政府間協議と連携して進められている。
ガイドブックに取り上げられる予定となっている主な項目は以下の通り。
- 既に存在する原則・手法・基準を利用し、SDGsに関連するインパクトを評価・報告する方法の提示
- 企業が特定のSDGsおよび自社が対応している目標に対するインパクトを測定する際に利用できる一連の指標の提示
- 自社のサステナビリティ目標の質を高め、それらの目標にコミットメントし、有意義かつ信頼性が高いコミュニケーションを実現するやり方についての方向性の提示
今後、国連グローバルコンパクト、GRI、WBCSDというサステナビリティ分野で非常に影響力の大きい3つの団体が協力し、企業のサステナビリティ戦略およびその実行を支援する大きな枠組みが描いていくことになる。SDGsという世界共通の目標の達成に向け、その実行役として民間セクターが担う役割と期待は大きい。
【リリース原文】Joining Forces for Business Action on Sustainable Development Goals
【参考サイト】Sustainable Development Knowledge Platform
【団体サイト】国連グローバルコンパクト / GRI / WBCSD
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