世界の二大経済大国が温室効果ガスの削減目標について合意に至り、世界の気候変動対策が大きく一歩前進した。
米ホワイトハウスは11月12日、中国北京にて米オバマ大統領と中国習近平国家主席が米中首脳会談に臨み、2020年以降の温室効果ガス削減目標に関する共同声明を発表した。声明のポイントは下記の通り。
- 米国:2025年までに2005年と比較して温室効果ガス排出を26~28%削減する
- 中国:2030年前後に国内のCO2排出量がピークとなるようにし、全エネルギーに占める化石燃料以外の比率を20%前後まで高める
中国がCO2排出量のピーク年について明言したのは今回が初めてのことで、2030年よりも早くピークを迎えられるよう最大限の努力をするとしている。また、中国は同時に2030年までに再生可能エネルギーや原子力などCO2排出ゼロのエネルギー比率を20%前後まで高める目標を掲げ、目標達成に向けて800?1,000ギガワット分のCO2排出ゼロエネルギー発電設備を整えるとしている。これは現在の中国の化石燃料発電所のキャパシティと同等の量で、米国のエネルギーセクター全体のキャパシティにも匹敵する量とのことだ。
米国および中国は言わずと知れた世界の二大経済大国だが、両者は同時に二大エネルギー消費大国であり、二大炭素排出国でもある。現在、米中両国合わせて世界の温室効果ガス排出の45%以上を占めているといわれており、両国の協力と努力なくしてグローバルな気候変動対策を前進させることは不可能だ。その意味で、今回米中が様々な歴史的軋轢を乗り越え削減目標の合意に至った意義は大変大きいと言える。
世界の気候変動をめぐる動きについては、先日もEUが2030年までに1990年比で温室効果ガスの排出を40%削減するというコミットメントを発表したばかりだ。EUに続き、今回米中両国が2020年以降の気候変動対策に関する明確な目標を示したことで、今後世界中でますますクリーンエネルギーや温室効果ガス排出削減ソリューションに対する投資の加速が見込まれる。
【リリース原文】The U.S. and China Just Announced Important New Actions to Reduce Carbon Pollution
【参考サイト】The White House
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