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【国際】気候変動リスクに弱いのは米国、ブラジル、中国、インドのサプライヤー

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ブラジル、中国、インド、米国にあるサプライヤーはヨーロッパや日本のサプライヤーと比べると気候変動による影響を受けやすい。一方で、中国およびインドのサプライヤーは温室効果ガス対策の投資に対して最も高いリターンを実現しており、バリューチェーン全体を通じた協働に最も積極的。そんな興味深い結果がCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)およびAccenture社の調査によって明らかになった。

CDPとAccentureが1月27日に公表したレポート”CDP supply chain report 2014–15”は、グローバルサプライチェーン上に存在する気候変動リスクと機会に関する最も包括的な概況を示したポートで、3,396社から収集されたデータに基づきまとめられたものだ。これらの企業のサプライヤー調達総額は1.3兆ドルに上り、その中には日産自動車やユニリーバなども含まれる。

今回、CDPは開示された気候変動・水に関するデータを基に以下のサステナビリティ・リスク/レスポンス・マトリックスを作成している。これより11の国(ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、スペイン、イギリス、そして米国)における環境のリスク軽減・管理状況を一目で比較可能になっている。



(※Suppliers in USA, Brazil, China and India least resilient against climate change risks finds new global study from CDP and Accenture より引用)

CDPのCEOを務めるPaul Simpson氏は「気候変動・水リスクは明らかな一方で、それが複雑なサプライチェーンモデルに依存した企業や経済とどう関連しているかは未だ理解されていない。多国籍企業が何千ものサプライヤーと関わりながら環境課題に取り組んでいることは嬉しいことだ」と語った。また、同氏は特に中国とインドのサプライヤーにおいて温室効果ガス排出量削減に向けた投資リターンの高さと積極的な協働が見られる点を強調した。

一方、Accenture Strategyの役員を務めるGary Hanifan氏は「懸念としては、排出量の評価と報告を実施している企業の数は増えているにも関わらず、気候リスクやその他の自然災害に耐えられるサプライチェーンの持続可能な開発についてわずかでも改善を示しているサプライヤーがない点が挙げられる」と語る。また、同氏は「良いニュースは、企業らが自社のサプライチェーンをデジタルネットワークに移行するにつれて、サプライチェーンの隅々まで可視され、トレーサビリティが向上し、自社の進捗や気候変動リスク緩和の報告に必要な情報へのアクセスができるようになる点だ」と付け加えた。

CDPとAccentureによるサステナビリティ・リスク・マトリックスは、気候変動緩和戦略、炭素排出量の報告、目標設定、排出量削減イニシアチブ、気候変動リスク手順、低炭素エネルギーの消費、水リスク評価と協働、といった項目に基づいており、マトリクスが明らかにしている点は下記の通り。

  • フランス、イギリス、スペイン、ドイツのサプライヤーが最も持続可能
  • 唯一、気候変動リスクに対して十分な備えがあるのは日本のサプライヤー
  • 中国、イタリア、アメリカのサプライヤーは気候変動の影響を受けやすい
  • ブラジル、カナダ、インドのサプライヤーは排出量削減の取組状況が世界の平均より芳しくなく、より努力する必要がある
  • 協働アプローチや財務リターンの高い排出量削減イニシアチブについては中国とインドが秀でている

CDPによれば、グローバルの視点で見てみると世界規模での進展は明らかであり、今年は3,396社がCDPへの報告に参加し、参画企業数は過去3年間の40%以上の上昇を見せているとのことだ。また、排出量削減目標を設定しているサプライヤーの割合も年々上がっており、2012年の39%から2014年には48%まで上昇しているという。

サプライチェーンのグローバル化、複雑化に伴い、多国籍企業にとっては自社サプライチェーン上における気候変動リスクがサプライチェーンマネジメントにおける一つの重要課題となってきている。各国ごとに異なるサプライチェーンの状況をデジタルツールなどを活用して的確に把握し、管理・改善していくことが求められている。レポートの詳細は下記からダウンロード可能。

【レポートダウンロード】CDP supply chain report 2014–15
【団体サイト】CDP
【企業サイト】Accenture

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