
カナダのトルドー首相は7月20日、カナダ各州首相との貿易・気候変動・医療制度会議に先立ち、二酸化炭素排出削減を実現するために「カーボンプライシング(炭素価格制度)」を導入していく考えを示した。米ブルームバーグが報じた。一方、カナダの複数の州は、カーボンプライシングの導入に異議を唱えており、この政策が実現するかはまだ不透明だ。
今年前半、トルドー首相は各州首相とカーボンプライシングについて合意を目指したが失敗。その代わりに、カーボンプライシングについての勉強を開始し、今年10月までに排出削減に向けた方針を発表すると合意していた。カーボンプライシングには基本的に炭素税かキャップ・アンド・トレード制度かのいずれかの形を採る。トルドー首相とマッキーナ環境相は今回、今月までに各州首相との間でカーボンプライシングに向けた全会一致での合意が実現できない場合、連邦政府としてカーボン価格を設定し、その仕組みの構築を進める意向を宣言した。
カーボンプライシング導入に反対している州の一つが、サスカチュワン州。農業や鉱業を経済の柱とする同州は、経済成長が鈍る中さらなる障壁になると訴え、カーボンプライシング反対運動の先頭に立っている。サスカチュワン州のウォール首相は、連邦政府が独断でカーボンプライシング導入を決定する意向を示したことに抵抗を示し、炭素回収貯留(CCS)のようなカーボンプライシング以外の方策について検討を進め、連邦政府に対する法的措置についても検討を始めた。
【参照ページ】Trudeau Commits to Carbon Price Amid Provincial Opposition
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら