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【中国】世界3番目の二酸化炭素観測衛星「TanSat」打ち上げに成功。気候変動観測でも大きな存在感

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 中国政府は12月22日、同国初となる二酸化炭素観測衛星「TanSat」の打ち上げに成功した。気候変動の科学データを提供するのに重要な役割を果たす温室効果ガス観測衛星は、JAXA、環境省及び国立環境研究所が共同で研究を行っている温室効果ガス観測技術衛星「いぶき(GOSAT)」(三菱電機製)が2009年1月に種子島宇宙センターからH-IIAロケット15号機で打ち上げられたのが世界初。続いて2014年7月に米NASAが「OCO-2」を打ち上げており、今回中国が打ち上げた「TanSAt」が世界3番目となった。

 「TanSat」は、内モンゴル自治区の酒泉衛星発射センターから中国製ロケット「長征2号D」で打ち上げられた。重量620kgで、高度約700kmの太陽同期軌道に投入される。「TanSat」には、二酸化炭素などを計測するための高分解能二酸化炭素スペクトロメータ(high-resolution Carbon Dioxide Spectrometer)と、雲やエアロゾルによる計測値の補正を行うためのCAPI(Cloud and Aerosol Polarimetry Imager)が搭載。大気中に加え、砂漠、極地、海洋といった地上では観測できないエリアの二酸化炭素の濃度、拡散、流量の測定を行う。同衛星による観測任務は3年。精度は最小4ppm、地上データとの組み合わせで精度はさらに2ppmまで高められるという。16日周期で地球を一周しデータを測定していく。

 気候変動の観測データの分野では、観測衛星を持つ国が研究をリードできるため、政治的な発言権も強くなる。NASAの「OCO-2」は当初観測任務2年間の設計で打ち上げられているが、すでに約2年半を経過しており、寿命が近い。さらに1月20日に就任予定の米トランプ次期大統領は気候変動の観測関連予算を削減するとの発言をしており、今後米国でのデータ観測はスムーズに進まなく可能性がある。その中で、二酸化炭素排出量世界最大である中国が、自前の観測衛星を手に入れたことで、今後ますます政治的な発言力が増していく。日本政府も、「いぶき」の後継機である「いぶき2(GOSAT-2)」を2017年中にも打ち上げる計画を表明しており、この分野でのリーディング・ポジションの確保を企てている。

 中国は12月26日にも、中国国営企業「中国四維測絵技術有限公司(China Siwei Surveying and Mapping Technology)」の衛星子会社であるSiwei Starが、中国民間初となるリモートセンシング商業衛星2機「高景1号01」「高景1号02」を中国山西省の太原衛星発射センターから打ち上げることにも成功しており、衛星や衛星ロケットの分野でも存在感を示し始めている。

【参考ページ】China launches its first CO2-monitoring satellite
【参考ページ】中国小型の二酸化炭素観測衛星の打ち上げ

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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