Sustainable Japan QUICK ESG研究所

【国際】食品業界世界大手ら20社、森林破壊撲滅のための新たな監視ツール開発でパートナーシップ締結 2017/01/30 最新ニュース

forest-fire

 食品メーカーや食品商社、小売業者世界大手など約20社は1月18日、世界経済フォーラム年次総会(通称、ダボス会議)の場で、食品業界での森林破壊を防ぐため監視体制を強化するパートナーシップを発足させたと発表した。これまで、世界全体で非常に数多くの企業が森林破壊を撲滅することを宣言しているが、今回のパートナーシップを立ち上げた企業らは、サプライチェーン全体のさらなる透明性の確保とトレーサビリティの向上が必要だとしている。

 現在、世界食品企業大手は、森林破壊を事業リスクとしてとらえるようになってきている。サプライチェーン上の農場や牧場を営む事業者が、違法な森林伐採や意図的な森林火災によって用地開拓をする行為が頻発しているためだ。食品関連企業は、サプライチェーン上の農地や牧草地が保護区の森林破壊により得られた土地である場合や、現地での紛争を引き起こしている場合などには、法的リスクやレピュテーションリスクを感じるようになってきている。また、金融機関や投資家も同様に投融資リスクを認識し始めている。

 今回のパートナーシップに加わった企業は、米穀物メジャーのカーギル、米食品大手マース、モンデリーズ、小売世界大手の米ウォルマート、仏カルフール、マレーシア財閥IOIグループ、環境NGOのWRI、Conservation International、The Nature Conservancy、レインフォレスト・アライアンス、プロフォレスト、全米野生生物連盟の他、ドイツ国際協力公社GIZ、IDH(オランダの持続可能な貿易を推進する団体)、米国投資公社(IIC)、米州開発銀行(IDB)オランダ開発金融公社FMOなども加わっている。プロジェクト全体はWRIのGlobal Forest Watchチームが主導する。

 WRIはすでに、地球規模で森林をモニタリングするため、高解像度マップを利用したオンラインツール「Global Forest Watch Commodities(GFW Commodities)」を提供している。このツールでは、森林面積の喪失、リアルタイムに近い森林破壊および火災警報、個々の工場および農場の分析などサプライチェーンのリスク評価を行うことができる。今回のパートナーシップでは、このツール上に衛星監視を利用したオンラインシステムを新たに導入する。これにより、情報の共有化だけでなく、事業管理も可能な業務システムとして使えるようにしていくという。すでに、マース、ユニリーバ、カーギル、モンデリーズは、この「GFW Commodities」を利用しており、メキシコの大きさに相当する範囲で、パーム油、大豆、ココアのサプライチェーンにおける森林破壊リスクを評価しており、ツールの利便性が向上すれば業界内での利用がますます進むことになる。

 さらに、ツールには新たに、金融機関などがコモディティ分野への投融資による森林破壊リスクを評価できる機能も搭載される予定。この機能は、企業や銀行などが数千もの生産工場、農場、自治体の位置を特定し、森林面積の喪失や地域で発生した森林火災などの問題を追跡し、事態を収拾させるための警告を意思決定者に対し通知するというもの。このシステムは、企業が活用している既存システムに連携できるものとし、利便性も担保する。

 また、WRIは、今回のパートナーシップは、世界経済フォーラムが主催する「トロピカル・フォレスト・アライアンス2020」、世界最大の消費財業界団体「CGF(The Consumer Goods Forum)」、金融機関による環境イニシアチブ「BEI」などが掲げる森林破壊ゼロの達成に資するものだとコメントしている。

【参照ページ】RELEASE: Partnership Launches to Increase Transparency and Traceability Across Supply Chains and Meet Zero-Deforestation Commitments

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

Facebookコメント (0)

ページ上部へ戻る