【アメリカ】カルパース、パリ協定支持をあらためて表明。トランプ政権の離脱決定を暗に非難 2017/06/17 最新ニュース

 カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)は6月1日、米トランプ大統領による米国政府パリ協定離脱の発表ついて、Marcie Frost CEOの声明を発表した。CalPERSの運用資産総額は現在約3,220億米ドル(約26兆円)。全米最大の機関投資家。

 CalPERSは、「パリ協定は財務的に理に適っているため支持する。エクソンモービルの株主が同社に気候変動リスクを開示するよう求める株主提案が採択されたたった1日後に、パリ協定からの離脱を決定したことは特筆に値する。地球温暖化を2℃以下に抑制するというパリ協定の目標に向けた産業界と金融界からの支持は高まりつつある」と述べ、トランプ大統領の判断を暗に非難した。

 また、「世界的な一つの投資家として、また投資の長期的なサステナビリティに焦点を当てた受託者の一つとして、今後も気候変動に関するパリ協定を支持し続ける。パリ協定により我々は重大なリスクを管理し、投資ポートフォリオの機会を築くことができる。パリ協定の目標を支持することは、最終的に我々の受益者の利益になるとともに、年金制度の長期的な保障となる」と、今後も一貫してパリ協定をサポートする意思を明確にした。

 CalPERSは、気候変動に関して数々のアクションをすでに起こしている。昨年8月には投資先企業に二酸化炭素排出量削減を求める内容を含む5カ年戦略計画を策定。また国連責任投資原則(UNPRI)に2006年に署名するとともに、気候変動への対応で結束する米投資家団体INCR(Investor Network on Climate Risk)にも参加している。サステナビリティ分野の米老舗NGOのCeresにも参加している。6月8日にロンドンで開催されたESG投資家イベント「RI Europe 2017」では、130の候補機関投資家の中からESG投資の世界的リーダーとして「Innovation & Industry Leadership」賞を受賞。審査では、イノベーション、機関投資家としての適格性、変化創造のポテンシャル、明確さの4つが評価項目となり、CalPERSの5カ年戦略計画が高く評価された。

 CalPERSの5カ年戦略計画には、同基金が注力する6つの戦略的テーマが定められている。6つのテーマは、投資リスクとリターンに影響を与える分野横断的なものとして、「データと企業報告基準」「国連PRIモントリオール・カーボン・プレッジ宣言企業へのエンゲージメント」「ダイバーシティとインクルージョン」「アセットマネージャーへの期待」「サステナブル投資研究」「プライベートエクイティ投資の手数料と利益シェア透明性」。実現に向け、各テーマごとに、期限を定めた到達目標とKPI(成果指標)が設けられている。これらKPIに基づき、内部の運用方針、委託先外部運用会社のマネジメント、投資先企業へのエンゲージメント、さらには同基金の従業員の評価がなされている。

 CalPERSは、今年2月には経営全体に渡る5カ年戦略計画を定め、ビジョン、ミッション、コアバリューに基づき下記5つの方針を設定。方針達成のため、36の明確な指標も設けられ、今後5年間進捗の効果測定を行うことを決めた。その中に指標の一つして、全投資をESG投資とすることを定めた。

  • 年金基金の長期的な持続可能性を強化する
  • 医療サービスの提供と支払を見直し、料金をより手軽な価格に抑える
  • 組織全体をシンプルにする
  • リスクに合理的に対処する組織を育成する
  • パフォーマンスが高く多様性のある人材を推進する

【参照ページ】CalPERS Comments on Paris Agreement Decision
【参照ページ】CalPERS’ Board Approves Five-Year Strategic Plan 
【参照ページ】CalPERS Adopts Environmental, Social, and Governance Strategic Plan 

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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