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【日本】仏シンクタンク2°ii、日本の電力・エネルギー・自動車業界の気候変動対応分析。課題多い

 金融業界の気候変動対応を促す国際イニシアチブ2° Investing Initiative(2°ii)は2月28日、日本の電力、エネルギー、自動車セクターの東証一部上場企業についてパリ協定の2℃目標との整合性を分析した報告書を発表した。同報告書は同時に日本語訳も出ている。同報告書は、3業界ともに2℃目標から大きく乖離していると結論付けた。

 2° Investing Initiativeは、2012年設立の仏気候変動シンクタンク。協力機関には、国際エネルギー機関(IEA)、気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)等の国際機関、欧州委員会、ドイツ連邦環境省、スイス環境省、ドイツ中央銀行、カリフォルニア州議会等の政府機関、アクサ、ING、ハーミーズ・インベストメント・マネジメント、欧州投資銀行(EIB)、仏預金供託金庫、ブルームバーグ、Trucost等の金融関連機関、世界自然保護基金(WWF)、CDP、Ceres、世界資源研究所(WRI)、カーボントラッカー、バンクトラック、ShareAction、気候債券イニシアチブ(CBI)等のNGO、チューリッヒ大学、スタンフォード大学、オックスフォード大学等の大学等がある。

 分析では、世界自然保護基金(WWF)等が中心となって開発してきた分析手法「Sustainable Energy Investment(SEI)Metrics」を採用。電力、エネルギー、自動車の各セクターが2℃目標に応じて生産・利用すべき技術・エネルギーの算出については、「フェアロジック」を適用した。フェアロジックとは、2℃目標達成のために必要なエネルギー・技術利用の市場シェア。電力・エネルギーセクターでは電源や石油、天然ガス(日本企業は石炭生産に直接従事していない)が、自動車セクターは電気自動車、ハイブリッド車、ガソリン・ディーゼル車が分析対象となっている。今回、日本企業の中でエネルギーに深く関与している総合商社は分析対象となっていない。

 分析では、電力・エネルギー業界は化石燃料に大きく依存していることを問題視。自動車セクターは、電気自動車やハイブリッド車の市場シェアを高めなければ2℃目標に整合性があるとは言えないとした。論点となる原子力発電については、同レポート中では、詳細議論は展開されていない。

 企業の二酸化炭素排出量については、従来、スコープ1(企業の直接排出量)やスコープ2(購入電力・ガスからの排出量)に焦点が当たっていたが、スコープ3(スコープ2以外の間接排出量)への関心が高まっている。今回の分析も生産商品というスコープ3の観点からの分析と言える。企業には、事業活動における環境負荷だけでなく、商品そのものの見直しも迫られている。

【参照ページ】Testing the Japanese listed equity market alignment with the 2°C climate goal

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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