農林水産省は1月11日、小売業界団体に対し、「恵方巻きのシーズンを控えた食品の廃棄を削減するための対応について」を発出した。送付先は、日本チェーンストア協会、日本スーパーマーケット協会、全国スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、日本フランチャイズチェーン協会 、日本生活協同組合連合会、日本ボランタリーチェーン協会の7団体。恵方巻きの日となる節分の日は2月3日。
恵方巻きについては、近年、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等で販売キャンペーンが実施され、キャンペーン後に売れ残り品が大量廃棄処分にされる事態が相次いでいる。今回、農林水産省は、貴重な食料資源の有効活用という観点を踏まえた上で、需要に見合った販売の推進について会員企業への周知を依頼。推奨事例として、予約販売を徹底したり、折込チラシで資源を大切にする気持ちを消費者に呼びかけ、廃棄の削減に繋げた兵庫県内で8店舗を展開するスーパー「ヤマダストアー」のアクションも紹介した。
農林水産省と環境省は、食品廃棄物の削減に向けた政策を推進している。環境配慮経営や「SDGs意識」を謳う企業は、食品ロスという足元の取組が不十分であれば、「グリーンウォッシュ」や「SDGsウォッシュ」と言われても仕方がない。一時の店舗売上推進施策やマーケティング・キャンペーンという言い訳は、通用しなくなっている。取締役会の意向すら開示が求められてもおかしくない。今年、大手のイオンや、セブン&アイ・ホールディングス、ユニー・ファミリーマートホールディングス、ローソン等の動向に注目が集まる。
メディアでも、政府による食品ロス削減要請には経済合理性はないと主張した記事「恵方巻き、ロス削減要請が正しくない理由」に対し、食品ロス専門会の井出留美氏が「『農水省恵方巻き削減要請が正しくない』?見切りより捨てた方が本部が儲かるコンビニ会計を理解していない」と反論している。
【参照ページ】恵方巻きのシーズンを控えた小売業への呼びかけ
【参照ページ】恵方巻き、ロス削減要請が正しくない理由~見えない別のムダが発生~
【参照ページ】「農水省恵方巻き削減要請が正しくない」?見切りより捨てた方が本部が儲かるコンビニ会計を理解していない
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